国策投資法とは、国が推進する政策に沿った銘柄を買うという手法。
- 政策なので、確実に実行される
- ローリスクで稼ぎやすい
…ということ。もちろん、直近の政策だと「みんな飛びついている」ので、
- ローリスクな分、リターンも小さくなる
- リターンの大きい「ひねった銘柄」は、リスクも大きくなる
…という当たり前の法則が、ここでも働きます。ただ、
- 「十分な資金がある人」の場合、
- 豊富な資金をつぎ込めば稼げる
という法則は、これも同じ。そして、先に書いた通り、
- 「少々ひねった銘柄」の場合、
- 国策に「ヒットするかしないか、分からない」ため、
- こうした銘柄が当たれば、大きく儲かる
…といえます。資金が少ない初心者の方は、こうした銘柄を選ぶべきでしょう。また、
- 2015年でいう「マイナンバー」のような国策が、
- 「10年後は何になるか」を事前に予想し、
- その関連株を先に買って、保有しておく
…という「気の長い技」もあります。これができるだけの「先見性・資金の余裕」があれば、「驚異的な荒稼ぎ」も可能でしょう。
(これはバリュー投資・グロース投資にも通じますね)
…というのが「国策投資法」の概要。以下、具体的な銘柄など、詳しくまとめていきます。
目次
- 1.2015年に注目された国策銘柄
- └ 1-1.インバウンド…ラオックス
- └ 1-2.リニア新幹線…名工建設
- └ 1-3.水素エネルギー…岩谷産業
- └ 1-4.ロボット…セック社
- └ 1-5.がん治療…小野薬品工業
- 2.「国策 投資」の上位サイトの研究結果
- └ 2-1.仕手株まとめサイト「国策銘柄」
- └ 2-2.仕手株まとめサイト「注目の株式テーマ」
- └ 2-3.Zaiオンライン「国策に売りなし」を黙って実行せよ
- └ 2-4.大和証券「国策には逆らうな」
- 3.おすすめ・注目の国策銘柄
- └ 3-1.IIJ(インターネット・イニシアティブ)が注目
- └ 3-2.IIJをおすすめする理由
- └ 3-3.ヨドバシの現場の社員の意識
- └ 3-4.まとめ「こういう体験や口コミを集めて、判断する」
- 4.実体経済を離れた国策株投資は、要注意
- └ 4-1.相場だけが盛り上がる国策株は「バブル」
- └ 4-2.「バブル時の売り抜け」は簡単ではない
- └ 4-3.武富士でバブルを恐れたのは、会長だけだった
1.2015年に注目された国策銘柄
2015年は、たとえば下のような銘柄が「国策株」でした。
- 1-1.インバウンド…ラオックス
- 1-2.リニア新幹線…名工建設
- 1-3.水素エネルギー…岩谷産業
- 1-4.ロボット…セック社
- 1-5.がん治療…小野薬品工業
以下、それぞれ「どのような理由で注目されたのか」を、箇条書きしていきます。
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1-1.インバウンド(訪日外国人誘致)…ラオックス
- 日本最大級の免税店
- 中国人の「爆買い」はじめ、インバウンド(訪日外国人)の消費が活発
- 2015年夏の中国バブル崩壊で、先行きが懸念された
- しかも、ラオックス社長の「書類送検」があった
- ↑(中国人留学生の長時間労働の疑惑)
- これらの悪材料で、相当売られまくった
- 逆にこれで「売られ過ぎ」として、注目を集めた
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1-2.リニア新幹線…名工建設
- 「名証二部」上場の地方ゼネコン
- リニアの工事では、最初に開通する「品川―名古屋」間で、
- 「品川駅」の施工担当が決まっている
- 「名証二部」の銘柄ということもあり、いわゆる「小型株」
- というと悪く聞こえるが「それだけ上下動が激しい」
- つまり「小さい資金でも、大きく稼ぐ」ことがしやすい
- 個人投資家で「ハイリターン狙い」の人には、向いている
- ゼネコンの株で、こういう「軽い株」は珍しい
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1-3.水素エネルギー…岩谷産業
- LPG(液化石油ガス)の、国内トップ企業
- ガスホースの要らない「家庭用カセットコンロ」を開発した会社
- 東京オリンピック(1964年の方)の聖火台でも、同社のLPガスが使われた
- 古くから水素事業を手がけ「水素を熟知した会社」をコンセプトにしている
- 岩谷産業だけで、液体水素のシェア4割
- グループ企業も入れれば、液体水素の国内シェアは10割(100%)
- 水素エネルギーの分野では、独占的な強みを持っている
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1-4.ロボット…セック社
- 今後のロボットは「自律移動型」になる
- スターウォーズの「R2D2」のように「自分で考えて動く」ということ
- そのためには、パソコンのように「OS」が必要
- (OS=オペレーティング・システム)
- で、そのOSはロボット業界では「RTミドルウェア」と呼ばれる
- その「RTミドルウェア」で、一番有力な国内企業が「セック社」
- 世界を見れば「ロボット株」はまだあるが、
- 国内で「買いやすく」「動向がわかりやすい」という点で有望
- 特に東京五輪の「おもてなしロボット」の評判によって、
- 株価の上昇が期待できる(評判が悪ければ下落もありうるが)
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1-5.がん治療…小野薬品工業
- 1717年(徳川吉宗の時代)から続く名門
- がん免疫薬の「オプシーボ」を開発、2014年7月に承認された
- 以後、2015年1月までの半年で「約30%」上昇
- さらに2015年12月17日「臨床試験で有用性が確認された」という公式発表
- 以後、小野薬品工業は連日「上場来高値」を更新した
- 今後も、同様の「臨床試験」のニュースが入る度に、上がる可能性が高い
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2.「国策 投資」の上位サイトの研究結果
最近のネットの情報は「もはや書籍を超えている」ということも多いです。そうでないサイトが上位に来ていることもありますが、大抵の場合、検索上位に出てくるサイトを全部見ると、何らかのヒントがそれぞれあります。<
ということで「国策 投資」で検索して上位に出てきたサイト・ページについて、内容を要約させていただきます。
(すでに検索済みの方は、スルーしていただいて大丈夫です)
- 2-1.仕手株まとめサイト「国策銘柄」
- 2-2.仕手株まとめサイト「注目の株式テーマ」
- 2-3.Zaiオンライン「国策に売りなし」を黙って実行せよ
- 2-4.大和証券「国策には逆らうな」
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2-1.仕手株まとめサイト「国策銘柄」
【URL】 http://sitekabu.net/archives/category/国策銘柄
- 国策銘柄・仕手株銘柄を、次々に紹介している
- 「国策投資法」について語るというより「銘柄探し」のサイト
…というのが特徴です。銘柄の紹介は完結で、非常にわかりやすいです。
ただ、当然こういう上位サイトの情報は、他の投資家もチェックしているわけです。なので、
- これらの国策銘柄に注目した投資家たちが、
- これらの銘柄を買うと、相場や市場(実体経済の方も含む)がどう動くかを予想し、
- 「その余波によって上がりそうな株」を狙う
という方法も一つです。もちろん、
- 銘柄や国策によっては、そんな「余波」などない
- 「余波」の予測がどこまで正確かわからない
というのは当然です。「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、すべてが予想通りに運ぶ市場などありません。
ただ、確かなことは、
- 自分なりに「予想」をしてみる
- その結果が「当たっても、外れても」
- 「予想をしなかった時」よりも、遥かに経験値が上がる
というのは間違いありません。投資ではなく事業ですが、ブックオフ・俺のイタリアン創業者の坂本孝氏は、ブックオフを始めるまでに「10の事業で失敗」しています。(ブックオフが「13回目」で、それまでは2勝10敗)
大成功や、自分の流儀をつかむまでには、それなりの回数の失敗が必要、ということです。国策投資法に挑む時も、何か「予想のきっかけ」のようなものを掴んだら、あえてそこに「余裕資金」を突っ込んで見るのもいいかも知れません。
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2-2.仕手株まとめサイト「注目の株式テーマ」
【URL】 http://sitekabu.net/2015年-注目のテーマ株
上と同じサイトですが「国策 投資」の1位と2位を独占しています。実際、それだけ勉強になる情報です。
先ほどのページは個別の銘柄でしたが、こちらはテーマで特集しています。具体的なテーマを一覧にすると、下のようになります。
■ アベノミクステーマ株・一覧
- 地価上昇
- カジノ
- 黒田バズーカ
- 地方創世
- 含み資産
- 農業
「アベノミクス相場」については、
- もう終了した
- まだ続く
- 部分的に、まだ続く
など、賛否両論がありますが、アベノミクスの時には、どんなテーマが「国策銘柄」になっていたのかという資料として、参考になるでしょう。
株でも事業でも「最新の情報でなければ意味がない」と思っている人が多いですが、それは違います。むしろ「古い情報からしか、読み取れないこともある」のです。というのは、
- この時には「A」という予想がされていた
- しかし、実際には「B」になった
- なぜ専門家は、「A」という予想をしてしまったのか?
- なぜ、現実は「B」になったのか?
という考察はすでに終わったことからしかできないんですね。よく考えれば当たり前で、だからこそ「歴史」という学問が大昔からあったのです。
(歴史の授業でも、「歴史学の父」たちのことを習ったわけです)
ということで、このような国策銘柄の紹介サイトを見る時も、
- 「新しい情報」ばかり探すのではなく、
- 「あえて古い情報も」見てみる
ということを意識してみてください。(もちろん、最新の情報も当然見つつです。忙しいですが)
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2-3.Zaiオンライン「国策に売りなし」を実行せよ
【URL】 http://diamond.jp/articles/-/70820
『今はマイナンバーと電力自由化の先取り株を買え』というサブタイトル通りで、
- マイナンバー関連
- 電力自由化関連
を特集しています。ダイヤモンド社、Zaiの特集ということで、信ぴょう性は当然高いです。(2015年4月末の記事なので、最新性はありませんが)
で、こうした記事を見て「真っ先に考えるべきこと」は、3年後、こうして国策銘柄になるものは、何かということ。もうZaiなどの投資雑誌が特集し始めた時点で、その銘柄は終わっているのです。
「人の行く裏に道あり花の山」という、耳タコな投資の格言もありますが、やはり投資で大成功するにはそれに尽きるのです。
- 政治・経済の流れを把握する(特定の部分でもいい)
- 「3年後」「5年後」「10年後」の社会を予想する
- その時「国策銘柄」になりそうな業界・会社を予想する
- 思い切って、その株を買う
というのが、本当の国策投資法です。つまり先回りして、銘柄を仕込んでおくということ。投資の基本ですが、結局国策投資法でもそれが究極なのです。
もちろん、当たるか外れるかはわかりません。ただ、「普通の長期予想」よりは当たりやすいでしょう。というのは、
- 「国が動く方向」は、ある程度予想できる
- 日本だったら「少子高齢化」「移民の受け入れ」など、
- 「今後確実に進展していく」事態が、いくつもある
- 後は、その「時期」と「程度」の問題
- 国の将来は、「業界・企業」の将来よりは、予想する資料がたくさんある
- だから、研究さえすれば、予想の的中率は高い
ということです。結局のところバフェットの言うように「論文一本書けるだけの研究」が必要になるのですが、一度そういう経験をして成功したら、次の研究はかなり楽になる。その後はもっと…というように「安全圏」を築くことができるでしょう。
結局のところ、ベンジャミン・グレアムの言う「安全圏」というのはチャート場の「こういう部分」というようなテクニカルな話より、こういう投資家としての生き方そのものと考えた方がいいでしょう。
(実際、ベンジャミン・グレアムが生涯説いていたことをまとめると、そういうことになります。彼の教えを一番忠実に受け継いだバフェットもそうですし)
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2-4.大和証券「国策には逆らうな」
【URL】 http://www.daiwa.jp/money/proverb/73.html
大和証券が「投資に関する格言」を解説するシリーズ。「国策に逆らうな」は冒頭でも紹介した格言ですが、それを以下のように解説しています。
- 国家があるから、企業も家計も成り立つ
- だから、国の政策には逆らえない
- それが、良いか悪いかではない。事実として、逆らえない
というのが、解説のメッセージ。で、国策の具体例として、
- 80年代後半~90年代初めの「バブル政策」(土地本位制)
- 2000年前後の「IT産業育成」
をあげています。70年代の「日本列島改造論」などが出ておらず、割と近代(?)のテーマだけ扱っています。
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3.私のおすすめの国策銘柄
- 3-1.IIJ(インターネット・イニシアティブ)が注目
- 3-2.IIJをおすすめする理由
- 3-3.ヨドバシの現場の社員の意識
- 3-4.まとめ「こういう体験や口コミを集めて、判断する」
大投資家のピーター・リンチは「自分がよく知る会社に投資しろ。経済や市場など知らなくてもいい」と主張しています。これにならって、「私がよく知る、国策関連の銘柄」も紹介させていただきます。
ジャンルは「格安SIM」ですが、おすすめの理由を書くと、「どうしても、通信などの専門用語」が出てきます。株と一見関係ないようですが、
- 本当に意味のある投資
- 高確率で成功する投資
をするには、こういう「株以外の話題」は避けて通れません。(漫画家が、バスケやサッカーなどに詳しい…というのと同じです)
ということで、ここから先は「少々専門的な内容」も出てきますが、「本質的な国策投資とは、どういうものか」というイメージとして、読んでいただけたら幸いです。
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3-1.IIJ(インターネット・イニシアティブ)が注目
IIJは格安SIMカードを提供する企業。SIMカードを簡単に説明すると、
- ソフトバンク・au・ドコモなどと契約せず、
- 「SIMカード」というチップを買うだけで、
- 出先でもどこでも「ネット」が使える
ということ。で、スマホでもこのSIMカードを使って通信すれば通話料金を格安にできるということです。
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3-2.IIJをおすすめする理由
理由を箇条書きすると、
- ヨドバシカメラなどの、他の大手のサービスより、断然良い(速い)
- SIMの速度が収入に直結する人間で、毎日あらゆる場所で10時間ほど使っている
- 全社のSIMは試していないが、IIJはまったく文句がないレベル
というのが、主なものです。で、競合のヨドバシの否定になりますが、
- 先に使ったのは、ヨドバシの「ワイヤレスゲート」だった
- これは殺人的に遅かった
- ネット上で口コミを調べたら、やはりみんな「遅い」という評判だった
- 「ヨドバシだから安心して買ったが、裏切られた」という声が多かった
というもの。さらに、「ヨドバシカメラの現場(店舗)」で感じたことを書きます。
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3-3.ヨドバシの現場の社員の意識
ちょうど今日、ヨドバシカメラに行って、SIMカード売り場で「この中で、一番速いのを下さい」とリクエストしました。その時のヨドバシのスタッフさんの回答は、下の通りです。
- 「ここにあるのは、全部LTEでドコモの回線です」
- 「だから、速度はみんな同じです」
…という回答でした。失礼ですが、これは間違いです。
- 同じ「ドコモのLTE回線」でも、
- 「1秒あたりの通信量」は、全然違う
- さらに、商品に書かれている通信料は「最大値」だが、
- 「実際の平均値」も、それになるとは限らない
- ↑(最大値だけやたら大きく、平均値は悪いSIMカードも多い)
という理由です。で、店員さんのこの回答から推測できることは、
- ヨドバシカメラは、本気でSIMに取り組んでいない
- 取り組んでいたら、商品知識をもっと徹底させるはず
- もし「知っていて嘘をついた」としても、不誠実である
…というように、強豪の中で大手である「ヨドバシ」については、将来性に疑問符がつくということ(あくまでMVNO事業についてはですが)。
また、もし「店員さんが言ったことが本当だった」としたら、
- ヨドバシで売られている「あらゆる通信業者のSIMカード」は、
- 全部「ワイヤレスゲート並に遅い」ということ
- だとしたら、IIJの回線速度は、相当リードしている
…といえます。この場合でもIIJが有利、と推測できるわけです。
ちなみに、当然ですが私は「攻撃的に尋ねた」わけではありません(少々急いではいましたが)。
「ヨドバシだったら、一番速いやつなら、IIJmioくらい速いやつがあるだろう」と思って、買いに行ったのです(ヨドバシの方が、うちから近いので)。
そうしたら、上のような回答で「驚いた」ということです。
(ちなみに、SIMを差し込んでいるモバイルルーターは、ヨドバシで買ったもの。これは非常にいいルーターなので、今日予備として、もう1台買ったところです。なので、ヨドバシについてはSIM以外のサービスは、とても良いと思っています)
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3-4.まとめ「こういう体験や口コミを集めて、判断する」
以上、私がIIJやMVNO(SIM事業)について、知っている限りのことを書かせていただきました。「ピンポイントでこういう情報を探していた」という方にとっては役立つかも知れませんし、「MVNOとか、SIMとか、全然わかんないし」という方には、役立たないかも知れません。
実際、ウォーレン・バフェットがIT系に一切投資しなかったというのは有名です。90年代、IT系の株長者があふれる中で、バフェットは、
- 典型的な過去の遺物
- テクノロジーを否定するチンパンジー
などと、今では想像もできないほどの悪口を浴びていました。しかし、その後ITバブルの崩壊によって、多くの投資家が転落する中で、バフェットは着々と、安定して資産を増やし続けたんですね。
この通り自分が理解できないジャンルには、首を突っ込まないということも大事です。もちろん「わからないかどうかを確かめる」程度に調べてみることは大事ですが、「手を出さない」こともまた1つの知恵なのです。
とりあえず、
- こういう「生の体験談・口コミ」は、世間に溢れている
- 自分の生活の中でも、毎日ある
- そういうヒントを山のように集めて「感覚」を養っていく
ということが大事です。ちなみに、今私はマクドナルドでこれを書いていますが、閉店30分前なのに「蛍の光」が流れ始めました(笑)。
札幌市内の某店舗ですが、この店舗だけでなく、最近のマクドナルドはこういう店舗が増えたな、と思います。マックは「深夜の仕事場」として重宝させていただいているのですが、ここで友達と遊んだり、デートしたりしたいか?と言われたら、答えは「ノー」というのが正直なところです。
(100円で長時間使わせていただいているので、本当に感謝しているのですが)
このように誰にでも日常の中で「この企業は良い!」とか「ここはちょっと…」という体験がいろいろあるでしょう。その体験がたまたま「国策投資」と一致した時、思いがけない成功があるかも知れません。
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4.実体経済を離れた国策株投資は、要注意
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4-1.相場だけが盛り上がる国策株は「バブル」
国策株投資は、
- 「その政策が正しいか」など、どうでもいい
- 「国策によって、上がる銘柄」があるなら、それを買う
…というスタイルです。当然政策がうまくいかなかった時は「相場だけが盛り上がる」ということ。いわゆる「実体経済を離れた状態」ですね。
で、当然ですがこれは危険です。要するに「バブル」ですから。もちろんバブルだからこそ、投資の経験がない人間でもチャンスに乗じて一気に稼げるということもあります。
実際、バブル期にそうして「大した実力もない」のに、成金になった人は多くいました。しかし、その後うまく売り抜けた人以外は、相当数が没落したことも忘れてはいけません。
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4-2.「バブル時の売り抜け」は簡単ではない
上の説明を読んで「バブルが弾ける前に売ればいいんだろ?簡単じゃん」と思う人は多いでしょう。しかし「バブル時にうまく売り抜ける」というのは、予想外に難しいのです。
日本の80年代のバブル時も、投資家は全員「自分は売り抜けられる」と思っていたのです。彼らは1600年代のオランダの「チューリップ・バブル」も知っていたでしょうし、その他、古今東西のバブルの崩壊、数多の大投資家たちの失敗も知っていたはずです。
(4度目の破産から立ち直れなかったジェシー・リバモアなど)
バブル期、個人投資家だけでなく金融のプロ中のプロでも、引き際がまったくわかっていなかったという実例が、「武富士」のエピソードでもわかります。
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4-3.武富士でバブルを恐れたのは、会長だけだった
バブル期、すでに日本の消費者金融業界のトップに立ち、「世界の個人金融業でも、トップレベルの会社」になっていた武富士。当然ながら「資金が有り余っている」ので、「不動産にも投資しよう」となります。
役員会では「全会一致」でした。会長で創業者の、武井保雄氏を除けば。
武井氏も最初は賛成だったのですが「役員が全員賛成」だったのを見て「これは異常だ。バブルはすぐ弾ける」と判断したそうです。
この判断は英断で、その後しばらくして、バブルは見事に弾けました。弾けるまでは、不動産や絵画などに投資していたレイクなど、他の消費者金融が大きく稼いでいて、武富士は差をつけられていました。しかし、バブルが弾けたことで、武富士が一気に有利になったんですね。
当時の武富士のトップというのは、メガバンクの専務レベルの人材を引き抜いてくるなど「プロ中のプロ」の集団でした。しかし、それでもこのような間違いを犯したわけです。
まして素人の個人投資家が「バブルが弾ける前に売り抜ける」というのは、口でいうほど簡単ではないんですね。なので「国策投資で儲ける」時も、「実体経済と噛み合っていない」と感じた場合は、相当な警戒心を持って臨んで下さい。
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5.参考サイト・文献一覧
- スマートジャパン「電力の自由化でエネルギー産業は激変、ガスと石油を加えて水平連携へ」
- http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1501/07/news024.html
- 今後の「水素エネルギーによる発電事業」と「電力自由化」の関係について、参考
- スマートホスピタル「がん免疫薬オプシーボ、患者の生存期間だけでなく日本の生存期間を伸ばす」
- http://smarthospitall.com/?p=11
- オプシーボの承認発表から、半年で株価が30%上がったことが書かれている
- ヤフーファイナンス「小野薬品が連日高値更新、がん免疫治療薬「オプシーボ」が肺がんに適用」
- http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20151218-00000068-stkms-stocks
- 上の「オプシーボ承認」から1年半後、「臨床試験」のニュースで、さらに高騰を続けたことがわかる
- 東洋経済ONLINE「リニア、超巨大工事を手がけるゼネコンの名」
- http://toyokeizai.net/articles/-/56895
- 最初にリニアが開通する「品川―名古屋」間で、
- 「品川駅」を、名工建設・新生テクノス・双葉鉄道工業が担当することが書かれている
- 高島望(1997)『武富士流 金儲けの極意』ポケットブック社
- バブル期、不動産投資への進出に「会長の武井保雄氏、ただ一人が反対した」というエピソードを参考
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