投資スタイルバリュー投資(割安株投資)とは? ~銘柄の見つけ方・指標の見方~

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バリュー投資とは、簡単にいうと「安い株を買って、値上がりするのを待つ」という投資スタイル。
しかし「ただ安い」だけでは、当然ダメです。

「価値があるのに、安い」という「割安株」を買います。
つまり「もっと評価されるべき」という株に、投資するんですね。

その読みが正しければ、その株は必ず値上がりします。
そういう株だけを探して投資するのが「バリュー投資」です。

バリュー株(割安株)をどうやって見つけるのか?

バリュー株を見つける方法―。
これは、簡単にいうと下の2通りになります。

  1. 「指標」で判断する
  2. 「企業」で判断する

…という方法です。それぞれのタイプを分類すると、

  1. 指標で判断…「投資家的な」見つけ方
  2. 企業で判断…「より人間的な」見つけ方

…となります。
「指標で判断」は、投資の専門知識がいりますが、「企業で判断」は、投資家でなくてもできますからね。代わりに、

  • その企業・業界に関する知識
  • 経営陣などの人間を見る目

という「別の面で高度な」知識・見識が必要になります。
いずれにしても、大別してこの2通りの方法が、「割安株の見つけ方」です。

株式指標を使った、バリュー株の見つけ方

「企業で判断する」方法は、「よく勉強する」の一言に尽きます。
そのため、ここでは「指標で判断する」方法を解説します。

まず、どんな株式指標を使って、バリュー株を見つけるのか―。
一番重要な指標は、下の2つです。

  1. PER(株価収益率)
  2. PBR(株価純資産倍率)

以下、それぞれの指標の意味を説明します。

PER(株価収益率)とは?

PERは、簡単にいうと「今その株を買ったら、何年で回収できるか」という数値。
読み方は「ピーイーアール」です。「パー」ではありません。

PERの計算式は、下のようになっています。

PER=今の株価÷一株あたり利益

たとえば今のマクドナルド株が、下のような条件だったとしましょう。

  • 今の株価…2500円
  • 一株あたり利益…250円

これだと「PER=10」なので、「今マクドナルド株を買ったら、10年で回収できる」ということです。
(もちろん、あくまで予想です)

PERは小さいほどいい(バリュー株である)

基本的に「PERは小さいほどいい」です。
「PERが小さい株=バリュー株」ということです。

ただ、絶対ではありません。理由は、

  1. 日本の株は、回収まで平均「14年」
  2. 14年あれば、会社の業績は大きく変わる
  3. 業績が変われば、「今の株価」も「一株あたり利益」も変わる
  4. つまり「今のPER」と「来年のPER」は、まったく違う
  5. 「今のPER」だけを見て投資するのは危険

…ということです。

「未来のPER」を予想すれば?

「今のPER」だけでは危険―。
ということは、「未来のPERを予想したら?」という考えも出るでしょう。

もちろん、それはいい方法です。
「未来のPER」まで想定して計算したら、より高い確率でバリュー株を見つけられます。

しかし、当然「未来のPER」はただの予想です。
そのため、「今だけ」でも「未来も含む」場合でも「PERだけに頼る」こと自体が、危険だと考えてください。

ちなみに、PERが「15倍以下」だったら「バリュー株」と言われます。

PBR(株価純資産倍率)とは?

PBRは、「株価が、本来の価値の何倍まで膨らんでいるか?」という数値。
と聞くと「大きいほどいい」と思うでしょう。

しかし、それは間違いです。
「小さいほどいい」のです。

理由は簡単で「本来の価値の5倍や10倍に膨れている」というのは「過大評価」ということ。誰かがそれに気づいたら、

「やべ。本当はこの株、こんなに価値ないや」→「早く売ろう」

となり、一気に値段が下がるわけです。
「バブル崩壊」と同じですね。

PBRも、小さい方がバリュー株(割安株)である

ということで、先ほどの「PER」と同じく「PBR」も、小さいほうがいいわけです。
「小さいほど、バリュー株である」ということですね。

  1. 本来の価値より、過小評価されている
  2. 気づいた人たちが、買いたがる
  3. 株価が上がる
  4. そこで売れば儲かる

…ということです。
だから「PBRは、小さいほどいい」わけです。

PBR(株価収益率)の計算式・出し方

PBRの計算式は、下のようになっています。

PBR=株価÷解散価値(BPS)

解散価値とは「今、その企業が解散したら、株主は1株あたり、いくらもらえるか?」という金額です。
たとえば、この解散価値が「1000円」としましょう。

この時、「株価も1000円」だったらどうでしょうか。
もし「買った翌日、解散」したら、下のようになります。

  1. 1000円でA社の株を買う
  2. A社が潰れる
  3. 1000円もらう

…ということです。プラマイゼロですね。
これが「PBR=1」の時。これは「損も得もない株」ということです。

PBRが「1.5以下」なら、割安株

バリュー投資では「PBR=1.5以下」だったら、「割安株」とされます。
つまり「投資すべき」ということですね。

「1以下がいいのでは?」と思うかも知れません。
もちろん、その通りです。それは「超割安株」です。

ただ、理論上はめったにありません。
会社は「株主から集めたお金」で運営しているのですから、それが倒産したら、普通は「集めたお金から、大分減っている」はずだからです。

そのため「1.5より下だったら、十分」ということですね。

バリュー投資(割安株投資)のやり方・まとめ

以上、バリュー投資のやり方と、それに使う主な指標2つを解説しました。
まとめると、下の通りです。

  • バリュー投資…割安な株を買い、値上がりを待つ
  • PER…「何年で回収できるか」の数値。15以下がいい
  • PBR…「株価が、本来の価値の何倍に膨れているか」の数値。1.5以下がいい

バリュー投資では、PER、PBR以外にも、役立つ指標がたくさんあります。
また、指標に頼らず「企業そのものを見る」ことも重要です。

ここではひとまず、一番の基本として、この2つの数値を抑えてください。

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