売り注文は「銘柄」が決まっている
買い注文の時、決めるのは下の内容でした。
- 銘柄
- 数量
- 方法(成行注文 or 指値注文)
- 買値(指値注文の時のみ)
- 期限(指値注文の時のみ)
売り注文もこれとほぼ同じですが、最初の「銘柄」が違います。というのは、
- 買い…「何でも」買える
- 売り…「持っている銘柄」しか売れない
…ということですね。
よく考えれば当然ですが、「売る」時は、銘柄の選択肢がほぼないわけです。
「複数銘柄を保有している」場合もあるが…
もちろん、「たくさんの株を持っている」。
つまり「複数銘柄に分散投資している」という場合もあるでしょう。
この場合、一応「銘柄選び」もありますが、それでも選択肢は大したものではありません。
買い注文の時ほど「銘柄」は重要でないと考えていいでしょう。
(そもそも、それほど分散投資できるほど、初心者の方は資金を持っていないはずです)
初心者の場合、売り注文は特に「成行注文」がおすすめ
初心者の場合、売りでも買いでも、基本的に「成行注文」がおすすめです。
「自動的に、すぐ決まる」やり方ですね。
そして、売り注文の場合は特に「初心者は成行注文」と言えます。
というのは、初心者が株を売りたくなるケースというのは、大抵「株が下がった時」だからです。
下がり始めた時に「指値注文」を出すと、どうなるか?
たとえば、マクドナルド株を「1000円」で買ったとしましょう。
そして、それが「900円」に下がったとします。
ここで「成行注文」を出すと「900円でも仕方ない!すぐ売る!」となります。
逆に「指値注文」を出すというのは、下のような考え方です。
- 確かに今日は「900円」に下がった
- しかし、回復して「1000円以上」になるかも知れない
- だから、もう少し様子を見よう
- もし「800円」まで下がったら、売ろう
- よし、「800円」で指値注文を出そう!
もちろん、こういう考え方もアリです。
しかし、初心者がこれをやると「結局800円まで下がって、売りに出す」ことが多いんですね。
1株あたりは200円でも、全体では数万円レベルの損失
株取引は「1株だけ」でやることは少ないです。
基本的に「100株」「1000株」という単位で売買します。
(吉野家もマクドナルドも、最低100株からとなっています)
つまり、上の取引だと下のようになるわけです。
- マクドナルド株を「10万円分」買った
- 「9万円」まで下がった
- 回復を待っていたら「8万円」まで下がった
…ということで「1万円の損失」で終わる所が「2万円の損失」になってしまたわけですね。
こうして見ると「すぐに売るべきだった」ことがわかるでしょう。
もちろん、あくまで結果論です。
待っていれば「1100円、1200円…」と上がっていった可能性もあります。
ただ、初心者のそういう「希望的観測」は、大抵外れるのです。
最初は「大損しないこと」だけを考え、「下がったらすぐ売る」と意識しましょう。
そして、そのためには「指値注文」よりも「成行注文」の方がいいのです。
「値上がりした時」も、初心者は成行注文がおすすめ
逆に「買った株が値上がりした」。
つまり「儲かった」場合はどうか―。
- 「スターバックス株」を「10万円分」買った
- 「10万5000円」まで値上がりした
…というケースですね。
これはもう「すぐ売り」でOKです。
そして、売買をすぐに成立させたい時は「指値注文より成行注文」なので、成行注文を選択します。
指値注文で「もっと値上がりしてから売る」選択肢は?
ここが株の最初の難関ですが、「もう少し持っていれば、11万円まで値上がりするのでは?」と思うでしょう。
そして「11万円になったら売る」という指値注文を出したくなるかも知れません。
もちろん、これは一理あります。
しかし、初心者のうちはやはりここでも「安全運転」がおすすめ。
早く成行注文で売って「利益確定」することです。
世界を代表する投資家でも、早めに利益確定している
ウィリアム・オニールという、世界を代表する投資家がいます。
彼は著書の中で、下のように語っています。
株を売る最良の時期とは、株価が上昇して、これからも上昇し続けるとだれもが疑わないときなのである。
(『オニールの成長株発掘法』第11章より)
「誰もが上昇し続けると信じている時」―。
ということは、あなたが「今持っていれば、さらに値上がりする」と思ったら「売らなければいけない」ということなのです。
もちろん、ベテラン投資家だったら違います。
しかし、あなたは初心者です。
あなたは、オニールの言う「誰も」に確実に入っているわけですから、あなたが「まだ上がるかも」と思ったら、売るべきということです。
…というように、株価が上がった時も下がった時も、初心者の場合は「どちらもすぐ売った方がいい」のです。
というわけで、「指値注文ではなく成行注文」を選ぶべきなんですね。