乖離率逆張り投資法とは、
- 「移動平均線乖離率」を見る
- 「乖離率が大きい」株に注目
- 「通常の状態から離れている」ので「近々戻る」と予想
- 「戻ったら得する」方で、売買する
…というものです。単純に「逆張り」とか「逆張りスイングトレード」と言われることもありますが、「その指標として、移動平均線乖離率をメインにする」というのが特徴です。[参考(1)]
目次
- 1.「乖離率逆張り投資法」のメリット
- └ 1-1.「使う指標が一つだけ」なので、わかりやすい
- └ 1-2.「逆張り」の練習に最適
- 2.「乖離率逆張り投資法」のデメリット
- └ 2-1.「市場の逆を行く」ので、心理的に怖い
- └ 2-2.「失敗した時、すぐに損切る」覚悟がいる
- 3.そもそも「移動平均乖離率」とは?
- └ 3-1.移動平均線…いつもの値動きのグラフ
- └ 3-2.乖離率…そのグラフから、今どれだけ離れているか
- └ 3-3.乖離率が大きいほど「反転して、戻りやすい」
- └ 3-4.戻ることがわかっていれば、売買しやすい
- 4.「乖離率逆張り投資法」に向いている銘柄
- └ 4-1.小型株…値動きが激しいので
- └ 4-2.新興市場…小型株が多いので
- └ 4-3.「イベント中」の株…やはり値動きが大
- 5.「乖離率逆張り投資法」で成功するポイント
- └ 5-1.「市場全体が荒れている」時は、やらない
- └ 5-2.「銘柄ごとの、いつもの値動き幅」をチェックする
- └ 5-3.「失敗したら、即損切り」を徹底
- └ 5-4.「ナンピン」は絶対にしない
1.「乖離率逆張り投資法」のメリット
リバウンド投資法を知っている方は、「乖離率逆張り投資法」って、要するに「リバウンド投資でしょ?」と思うかも知れません。確かに「反発=リバウンド」した株を狙う、という点では同じです。[参考(2)]
違いは「使う指標が、移動平均乖離率に絞られている」という点なんですね、主に。
1-1.「使う指標が一つだけ」なので、わかりやすい
初心者の人がテクニカル投資(チャートだけを見る投資)をする時、困ること。それは「指標が多すぎる」ということでしょう。
たとえば先に書いた「リバウンド投資法」だったら、主に下の4つを使います。(当サイト内「リバウンド投資法」のページ、各部にジャンプ)
…というものです。初心者の人は「見ているだけで、目が回る」でしょう。しかし「乖離率逆張り投資法」なら、指標は一つだけなんですね。そのため「手っ取り早く始めやすい」ということです。
手っ取り早く始めて、何のメリットがあるのか―?それは「練習になる」ということです。
1-2.「逆張り」の練習に最適
「習うより慣れろ」ということわざ通り、投資も「実際にやってみて、なんぼ」です。いくら机上で勉強してみても、「実際に投資してみると、全然違う」というのは日常茶飯事なのです。
たとえば有名な「ボリンジャーバンド」という指標にしても、最初は多くの投資家が「これを使えば、値動きの予想は間違いなし」と思っていたわけですね。実際、統計上・理論上は、ボリンジャーバンドによって「値動きは予想できる」はずだったのです。
しかし、フタを開けて見たら「ボリンジャーバンドの理論と逆になる」ことがむしろ多かった。あるいは「逆」にはならなくても「ボリンジャーバンドの範囲が広がってしまい、使い物にならない」という事態も続出した―。[参考(3)]
ということで、ボリンジャーバンドはどちらかというと「使えない指標」として、有名になったんですね。「この理論だけで動くと失敗する」という、投資家にとっての「一種のブレーキ」として機能しているのです。
もちろん、これはこれで意義のあることです。何が言いたいかというと、「どんな指標でも、実際に使ってみると、想像と全然違うことが起きる」ということ。これは恋愛でも仕事でも育児でも、何でも同じでしょう。だから「実際にやってみる」ことが、投資でも最重要なのです。[参考(4)]
で、「実際にやってみる」に当たって「覚えることは、少ないほどいい」わけです。そのため、たくさんの指標が必要になる「リバウンド投資法」よりも、「移動平均乖離率だけに絞った」乖離率逆張り投資法の方が、初心者に向いている…ということなんですね。
2.「乖離率逆張り投資法」のデメリット
「逆張り」という文字を見てもわかりますが、この投資法は「相場の流れの逆を行く」もの。
- 「落ちている株」をあえて「買う」
- 「上がっている株」をあえて「売る」
…ということですからね。「投資のセオリー」の逆をやるわけです。(というか、実は「人の逆をやる」ことこそ、むしろ投資のセオリーなのですが)[参考(5)]
というように「人の逆をやる」のがこの投資法ですが、それだけにデメリットや注意点もあります。
2-1.「市場の逆を行く」ので、心理的に怖い
このデメリットは、上に書いた通りです。ここでは、この「怖さ」をフォローするために、ウォーレン・バフェットのエピソード&名言を紹介しましょう。
「人の逆をやる」ことを象徴するバフェットの名言では、下のようなものがあります。
「セックスしたくてウズウズしているのに、無人島にいる、まさにそんな気分です」(『麗しのバフェット銘柄』[参考(6)])
これは、1972年の米国株式市場に「局地的なバブル」が起きていた時の言葉。多くの投資家がこのバブルに便乗して活発に売買していました。[参考(7)]
しかし、バフェットは「この状態では、買う株がない」として、静観していたんですね。そして、「第一次石油ショック」によってバブルが弾けた1973年、市場に再び戻ってきて、こう言います。
セックスしたくてウズウズしながらハーレムにやって来た、まさにそんな気分です(出典:同上)
このオイルショック以降の米国株は「アメリカ市場は死んだ」と言われるほどだったと言いますが、バフェットはそういう時にこそ好機を見出していたわけです。[参考(8、9)]
…というように、大投資家の行動を見ていると「当たり前」の逆を行くことこそ、投資家として当たり前ということを実感します。こういうエピソードや名言に多く触れていると「逆張り投資」をする場合も、躊躇なく売買の判断ができるでしょう。
2-2.「失敗した時、すぐに損切る」覚悟がいる
「メリット」の部分で書いた通り「乖離率逆張り投資法」は、逆張りの練習程度に考えた方がいいです(最初は)。で、練習である以上、
- 失敗はつきもの
- 失敗したら、すぐに損切り
という意識が重要です。論語(孔子)の名言で、「過ちては、則ち改むるにはばかることなかれ」(間違えたら、それを正すことを躊躇するな)というものがありますが、まさにこの通りです。投資においては、これは「損切り」のことです。
乖離率逆張り投資法だけでなく「初心者のうちは、失敗したら損切りが重要」ということは、誰もが頭では知っています。しかし、いろいろ希望的観測などを勝手に交えてしまい、「結局、塩漬けしてしまう」ということが多いんですね。
ということで、乖離率逆張り投資法をする時、「失敗したら、即損切り」ということは、「機械的に実行するルール」として、覚えておいてください。[参考(10)]
(初心者の方の場合です。経験者の場合、その人のスタイルや銘柄に合わせて、臨機応変にやるのが当然です)
3.そもそも「移動平均乖離率」とは?
最初に書いた通り「いつもの平均から、どれだけ離れているか」というのが「移動平均線乖離率」の意味です。この意味を、もっと詳しく正確に説明します。
3-1.移動平均線…いつもの値動きのグラフ
移動平均線とは―。この説明は「作り方」を説明するのが一番です。たとえば、ある月の「1日~5日」の株価が、下のように動いたとしましょう。
- 1日…100円
- 2日…130円
- 3日…120円
- 4日…150円
- 5日…150円
で、これを平均すると「130円」となります。つまり「1日~5日の平均値」=「130円」ですね。で、
- 1日~5日…130円
- 2日~6日…?円
- 3日~7日…?円
- 4日~8日…?円
- (以下略)
という風に「移動平均線」の「最初の1点」が決まります。あとは同様のやり方で、
- 「2日~6日」の平均
- 「3日~7日」の平均
- 「4日~8日」の平均
…という風に、「平均値をひたすら出していく」わけです。で、これを続けると、
- 「5日間の平均値」が、
- 「毎日どう変わっていったか」という線グラフ
…が生まれるわけです。これを見れば「その銘柄が、この1ヶ月間(別の期間でもOK)が、全体的にどう動いているか」が、大体把握できるわけですね。あくまで「大体」ですが。
で「5日間の平均値」を集めたので、これを「5日移動平均線」といいます。同じことを別の日数でやると、
- 25日…25日移動平均線
- 75日…75日移動平均線
- 200日…200日移動平均線
- 13週…13週移動平均線
- 26週…26週移動平均線
…となります。
- 日数が短い…「最近の」傾向
- 日数が長い…「長期の」傾向
を、それぞれ掴めるわけです。というわけで、理想としては「全ての移動平均線をチェックする」のがベストです。(もちろん、それをすべての銘柄でやるのは大変なので、どこかで「踏ん切り」は必要ですが)
3-2.乖離率…そのグラフから、今どれだけ離れているか
上の説明だと、たとえば「5日」の時点で、下のようになるわけです。
- 5日の「株価」…150円
- 5日の「移動平均線の株価」…130円
つまり、
- 5日の時点で、この株は「150円」である
- しかし、「1日~5日」の平均では「130円」である
…ということです。つまり、この時「乖離している値幅」は「20円」ですね。パーセントで言うと、「約12%」です。
3-3.乖離率が大きいほど「反転して、戻りやすい」
で、この乖離率が一定より大きくなると、元に戻る(反転する)確率が高いわけですね。これは日常生活の感覚でわかるでしょう。
(ジャンケンで5連勝したから、そろそろ負ける気がする…というようなものです)
この「乖離率」の見方に限らず、投資の指標の見方は「意味を理解すると、日常生活で考えていることと、まったく同じ」ということが多いです。なので、最初だけは難しく感じるかも知れませんが、徐々に「非常に簡単」になっていくので、初心者の方は気楽に投資の勉強に臨んでください。
3-4.戻ることがわかっていれば、売買しやすい
で、このように、
- 「いつもの流れ=平均線」から、離れている
- 「○○%離れると、かなりの確率で反転する」
…という予想が当然できるので、これが手法として確立したわけですね。ただ、実際にやってみると、全然違うというのは、先に書いた通りです。
ということで、確かにこの投資法の理論は理解しやすいし、成功する場面も多いのですが、「初心者の場合、あくまで『逆張りの練習』と考える」ようにしてください。
4.「乖離率逆張り投資法」に向いている銘柄
- 4-1.小型株…値動きが激しいので
- 4-2.新興市場…小型株が多いので
- 4-3.「イベント中」の株…やはり値動きが大
4-1.小型株…値動きが激しいので
「乖離率」という言葉が入っている通り、この投資法は「いつもの動きから、離れれば離れるほど、利益が大きくなる」投資法です。
株価が「正常に戻った」時の落差が、そのまま利益になるわけですね(成功すれば)。なので「値動きの激しい株」がいいのです。
で、誰もが知っているような有名企業(大型株)の場合、あまり「激しい動き」はありません。
- 「そう簡単に倒れない」と信頼されている
- グループ企業などが大株主になっていて、彼らが株価を安定させている
という理由からです。そのため「乖離率逆張り投資」は、大型株ではなく、新興企業などの「小型株」でやると考えてください。[参考(11)]
4-2.新興市場…小型株が多いので
これはその人の得意分野(精通ジャンル)にもよりますが…。「値動きが激しい」という一点だけを見ると、東証一部よりも、
- 東証二部
- ジャスダック
- マザーズ
などの「新興市場」の方がいいです。先に書いたような「値動きの小さい大型株」は、ほとんど東証1部に集まっているからですね。逆に二部などの「新興市場」の場合、小型株が多いわけです。
4-3.「イベント中」の株…やはり値動きが大
大型株でも「何らかの事件・イベント」が起きている時は、株価が大きく変動します。
- 新商品が大ヒットしている
- 深刻な不祥事が起きた
などですね。このように株価が大きく揺れ動く場面では、大型株でも十分、乖離率逆張り投資を仕掛けるチャンスがあります。
5.「乖離率逆張り投資法」で成功するポイント
- 5-1.「市場全体が荒れている」時は、やらない
- 5-2.「銘柄ごとの、いつもの値動き幅」をチェックする
- 5-3.「失敗したら、即損切り」を徹底
- 5-4.「ナンピン」は絶対にしない
5-1.「市場全体が荒れている」時は、やらない
たとえばリーマンショックなどのように「市場全体が荒れている時」は、この投資法も使えません。
- 乖離率逆張り投資法は「値動きが通常に戻る」前提で投資する
- しかし「相場が荒れている時」は「いつ戻るか」わからない
ということです。リーマンショックの時などは「乖離率が、ムチャクチャになる」ということですね。「乖離しまくっている」ということです。
こういう場合、通常のようにこの投資法を適用することはできません。相場が通常通りに回復するまで、半年でも1年でも気長に待ちましょう。
5-2.「銘柄ごとの、いつもの値動き幅」をチェックする
「平均線からどのくらい乖離したら、離れすぎ」と言えるかは、「銘柄によって変わる」ものです。
- もともと、値動きの激しい株…相当乖離して初めて「離れすぎ」
- もともと、値動きが小さい株…少し乖離しただけで「離れすぎ」
…ということです。上で「大型株・小型株」の話をしましたが、それと同じです。
- 小型株…相当乖離して、ようやくチャンス
- 大型株…少しの乖離でも、チャンス
…ということです。一般的には「平均線から、15%~20%離れたら、戻ることが多い」と言われています。しかし、これは「一般的な株」の場合なので、
- 小型株…「もっと乖離してから」の方がいい
- 大型株…「もっと小さい乖離」でもいい
と言えます。それぞれ「このレベルの株にしては、かなり乖離している」と判断したら、そこで仕掛けていいということですね。
5-3.「失敗したら、即損切り」を徹底
「乖離率逆張り投資法」の場合、特にこの意識が重要です。理由は、相場に逆行する、ハイリスクな手法であるということ。「人の行く 裏に道あり 花の山」という相場の格言もありますが、多くの人がこの言葉を知っていながら、なお「みんなが行く道を歩む」というのは「やはり、その方が安全」だからです。
投資の判断は「自分をロボット化」して行う
これは乖離率逆張り投資法に限った話ではありませんが、損切りなどの判断は、すべて「自分をロボット化する」ことが大事。少なくとも初心者の場合は、そう考えておいた方がいいでしょう。
ロボット化するというのは、
- 最初に「判断のルール」を、熟考して決める
- この段階では、しっかり迷い、考えていい
- そして、ルールが決まったら、そこから先は迷わない
- 決めておいた「損切りのタイミング」が来たら、
- まるで「自動取引」かのように、完全にルール通り実行する
…ということです。「いや、臨機応変にやった方がいいんじゃないかな」という指摘も、確かに一理あるでしょう。しかし、
- それは「経験者」がやることである
- 初心者は「とりあえず相場から退場しないで済む」ラインを、
- 心をサイボーグにしてでも、死守するべき
というのが、私の考えです。乖離率逆張り投資法をやられる方も、参考にしてみてください。[参考(12)]
5-4.「ナンピン」は絶対にしない
ナンピンというのは、
- 「買った後、値下がりした株」を、
- 「さらに買い増していく」行為のこと
…です。「ナンピン買い」とも言われます。単純に考えると「値下がりした株を、さらに買うなんて信じられない」となるでしょう。しかし、ナンピン買いをする人の心理はこれだけ連続で落ちているんだから、そろそろ上がるはずというものです。
「まあ、気持ちはわからないでもない」という人は多いでしょう。ただ、これは「論理」ではなく、完全に「感情」であり「希望的観測」です。
パチンコで負け続けている人が「そろそろ勝てるはず」と言うのと、まったく同じです。ここまで来たら、投資でも何でもありません。[参考(13)]
「反発を期待する」こと自体は間違っていないが…
確かに「落ち続けた株が反発する」ということはあるし、それを狙う「リバウンド投資法」などもあります。そもそも、この「乖離率逆張り投資法」も「いつもの平均よりかなり落ちている株を買う」という手法です。
(上がりすぎたものを空売りする、という逆バージョンもありますが)
というように「反発を期待する」こと自体は間違っていません。しかし、ナンピン買いの場合そこに何の理論・根拠もないというのが問題なんですね。
「そろそろ反発するはず」という期待だけではダメなのです。チャートや指標・長年のトレードの経験を駆使して、ようやく「反発の予測」ができる…ということを知っておいてください。
以上「乖離率逆張り投資法」についてまとめました。初心者の方はまず逆張りに慣れるくらいの感覚で、気軽に経験を積んでいくようにしてください。
6.参考サイト&書籍・一覧
■ [1]「乖離率逆張り投資法」全体
- 投資の教科書「実例解説!トレードにおける移動平均乖離率の具体的な使用法」
- http://toushi-kyokasho.com/idouheikinkairiritsu/
- この記事を下地として、各種の関連知識を追加させていただきました。
■ [2]「リバウンド投資法」との比較
- イマカブ「リバウンド投資法とは? ~反発株を見つけるための指標・手法・注意点のまとめ~」
- /style/rebound
- 当サイトですが、徹底してまとめてあるので、参考になるはずです。
■ [3]ボリンジャーバンドは「使えない指標」として有名になった
- 1000通貨MT4トラリピと異業者両建て!「ボリンジャーバンドは何故、使えないか?」
- http://blog.livedoor.jp/tryjpychart/archives/51341912.html
- 「ボリンジャーバンドの理論は正しいが『バンドの数値が、常に変化してしまう』ので、結局意味がない」ということを書かれています。
■ [4]「投資の回数を増やして、練習する」ことについて
- 塩見努(2011)『これからパンローリングの投資本を読む人へ』パンローリング
- Kindle版、位置No.2246中1556
- 「投資で一定のレベルに達する条件」として、「売買回数500回、投資期間5年、投資本50冊」を上げています
■ [5]「人の逆をやるのが投資のセオリー」について
- 極上の相場格言「相場格言…『人の行く裏に道あり花の山、いずれを行くも散らぬ間に行け』(千利休)」
- http://ameblo.jp/kabutoto/entry-10013390733.html
- この有名な投資の格言の出典が「千利休の短歌である」ということへの考察。利休と親しかった商人の、今井宗久・島井宗室らが、これを商売の世界に伝えたのではないか…と推論されています。
■ [6]ウォーレン・バフェットの名言
- 『麗しのバフェット銘柄 ―下降相場を利用する選別的逆張り投資法の極意』
- メアリー・バフェット&デビッド・クラーク・著、関本博英・訳
- 2007年/パンローリング
- 引用箇所「訳者あとがき」
- ネットでよく紹介されている、この名言の「正しい出典」です。
■ [7]バフェットが「買う株がない」と言った1972年のアメリカ市場について
- 海外投資データバンク「アメリカ株式市場の平均PERの推移」
- http://www.world401.com/data_yougo/usa_per.html
- ニフティフィフティのことなどが書かれている
■ [8]バフェットが市場に戻った「1973年」のアメリカ市場について
- 世界の金融の歴史辞典「アメリカの金融の歴史」
- http://history.nobisiro.com/country/usa.html
- 1973年のオイルショックにより、世界中の物価が急上昇したこと、などが書かれています
■ [9]戻った後(1973年)のバフェットの行動
- Wikipedia『ウォーレン・バフェット』
- (URLは長いので省略)
- ウェスコ株の買い増しを行ったことなどが書かれている
この時期の米国株式の市場については、下でもう少し詳しく書きました。
■ [10]「機械的に損切りする」ことについて
- 塩見努(2011)『これからパンローリングの投資本を読む人へ』パンローリング
- Kindle版、位置No.2246中1261
- 「損切りも100回くらい実行すると、けっこう慣れてきます。そのうち機械的に損切りができるようになるでしょう」と書かれている
■ [11]「小型株の値動きの激しさ」について
- ZDNet Japan「値動きの荒い小型株投資では、テクニカル分析が大切」
- http://japan.zdnet.com/article/35065476/
- (小型株は)業績は安定的に成長していても、株価は安定的に上昇するとは限らない」と書かれている
■ [12]「損切りラインを決めるまではよく考え、決まったら機械的に実行する」について
- ウィリアム・オニール(2011)『オニールの成長株発掘法』パンローリング
- 第10章「絶対に売って損切りをしなければいけない時」
- もし「自分で損切りラインを決める」のが難しい時、オニールのルールが参考になる。オニールは「7~8%の損失」を「絶対損切りライン」としている
■ [13]「初心者はナンピンをしてはならない」について
- やさしい株のはじめ方「下手なナンピンスカンピン」
- http://kabukiso.com/siryou/nanpin.html
- 有名な相場の格言「下手なナンピン、スカンピン」と、上級者向けの「計画的ナンピン買い」について書かれている
おまけ…1972年頃の米国株のバブル&崩壊
1972年の米国の株式市場の状況は、まとめると下のようになります。
- ニフティフィフティ(素敵な50銘柄)に、人気が集中した
- ↑(巨大企業で、特に成長力が高かった50社のこと)
- この50銘柄のPERは「41.9倍」になっていた
- しかし、米国市場全体の平均PERは「18.6倍」だった
- つまり「50銘柄だけ」に起きた「局地的バブル」である
ということです。これを読むと、「バフェットだったら、その50銘柄以外を買おうとしたのでは?」と思う人もいるでしょう。私もそう思います。
ただ、一応「セックスしたくてウズウズしているのに…」という名言が残っている以上、彼にとって「買う株がなかった」のは本当なのでしょう。おそらく「50銘柄につられて、市場全体も『安全域』から外れていた」のではないかと思います。
事実、この1年後「オイルショック」という未曾有のピンチが訪れるわけですから(もしかしたら、バフェットはオイルショックを予想していたのかも知れませんね)。