情報収集のやり方雑誌で株式投資の情報を収集する ~各雑誌の特徴・読み方~

投資雑誌・新聞

投資雑誌・新聞

個人投資家の多くは『Zai』『日経マネー』などの投資・マネー雑誌を読んでいます。これらの情報をそのまま信じなくても「投資家たちがどんな情報を手にしているか」を知るために、これらの雑誌は読んでおいた方がいいでしょう。

(毎号でなくてもいいですが)

また、投資雑誌でないビジネス誌でも、「投資特集」はよく組まれています。ここではそれらのビジネス誌も含め、各雑誌の特徴をまとめます。

投資情報誌の一覧・特徴のまとめ

まず、投資やマネーを専門的に扱う雑誌は、主に下の2種類です。

  • ダイヤモンドZai
  • 日経マネー

そして、たまに投資特集が組まれるビジネス誌は、下の通りです。

  • 週刊ダイヤモンド
  • 週刊エコノミスト
  • 週刊東洋経済
  • Yen SPA!(SPA!)

以下、それぞれの雑誌の特徴や「どういう人におすすめか」をまとめます。

ダイヤモンドZai

投資雑誌の中で一番のおすすめ。投資家の多くが読んでいる雑誌です。

  • 株式投資の情報が一番多い
  • その他の投資・マネーの情報も載っている
  • 硬すぎもせず、ゆるすぎもせず、ちょうどいいテイスト

…という内容です。

日経マネー

『ダイヤモンドZai』よりも、「投資以外」の話が多め。たとえば税金や資産の配分などの「マネー全体」に関するページが多いです。

株取引以外の投資に興味があったり、税金なども総合的に学びたい人におすすめです。

週刊ダイヤモンド

ビジネス誌の王道。投資の特集が年に数回あります。

投資特集の時でも、最初の20ページほどは「政治経済」の話。そのため「短期投資」をしている人(特にスイングトレードなど)は、あまり関係がないかも知れません。

代わりに「中長期投資」をしている人は、ぜひ読むべきでしょう。また、他の雑誌よりも広告が多いので、そこで費用を獲得し、自由に発言している分、内容の信ぴょう性が高いと考えられます。

(広告が少ない雑誌は「記事自体が、証券会社などの宣伝」という可能性もあります)

週刊エコノミスト

『Zai』はもちろん『週刊ダイヤモンド』と比較しても、かなり「真面目」な印象。中盤からは写真があまりなく、文字数がかなり多いです(その分、情報は濃いです)。

投資の特集の時でも、最初の20ページくらいは「世界や日本の経済」の話が続きます。『ダイヤモンド』同様、特に長期投資をする人向けでしょう。

週刊東洋経済

とにかく真面目な雑誌。投資特集の時でも、投資の記事が始まるのが一番遅く、大体「40ページ目」くらいから始まります(その前はやはり、政治経済)。

また、投資の特集の内容も「中長期投資」を扱う度合いが大きいです。デイトレード・スイングトレードなどで「手早く儲けたい」という人にとっては、あまり必要ないかも知れません。

逆に、『ダイヤモンド』『エコノミスト』と並び、長期投資をする人はぜひ読んでおくべき雑誌です。

Yen SPA!

『SPA!』の「マネー版」です。「マネー」がテーマなので、株式投資以外のテーマもたくさん扱っています。

「投資」という枠すらなく「お金儲け」なら全部OKという印象。そのため、アフィリエイトや輸入ビジネスなどの記事も、たくさんあります。

ある号では巻末に「与沢翼氏」のインタビュー漫画が10ページほどあるなど、かなり「素人向け」の印象。他の雑誌よりも「手っ取り早く稼ぎたい」という人をターゲットにしている感じがあります。

登場する投資家も、女性なら「実績のある中年女性」よりも「株ドル」を選び、写真を大きく載せるなど、少々「色物」な感もあります。情報自体を信用するよりも「手っ取り早く稼ぎたい人々は、どういう情報を得ているか」という参考にするといいでしょう。

広告が多い雑誌の方が、信用できる

先の『週刊ダイヤモンド』の部分でも少し書きましたが、実は「広告が多い」方が、雑誌の情報は信用できます。あれだけの分厚さでフルカラーの書籍を出版するには、どうしてもお金が必要なのです。

だから普通の雑誌…、特に女性ファッション誌は「広告だらけ」でしょう。あれが本来の雑誌の姿なのです。

その点、投資の雑誌は広告がかなり少ないです。別に「証券会社からお金をもらっている」というわけではないでしょうが、取材などで大幅に協力してもらい「その分、あまり強気の意見を書けなくなっている」という可能性はあります。

(どんなメディアでも、アーティストの作品でも同じことですが)

これは別に「いい」とか「悪い」ということでなく「そういうもの」です。広告の少ない雑誌の場合は特に「情報に、何らかのバイアスがかかっている」と、常に意識してください。

(もちろん、バイアスがかかっていても正しい情報は、十分あります)

雑誌で取り上げられる時は、すでに終わっている

投資の情報は「雑誌で取り上げられる時には、すでに古い」とよく言われます。常にそうとは限りませんが、事実その通りだったケースもあります。

たとえば、2015年6月の「中国株バブルの崩壊」。株価のピークは「12日」ですが、その「3日前」に、週刊エコノミストが「中国株バブルが来た!」という特集を組んでいます。

つまり、この特集を読んだ人が「よし、中国株を買おう」と思い、買った瞬間、一気に急降下が始まった…ということです。雑誌の記事を盲信すると、こういうことが起こりうるわけですね。

今回の中国株バブルは、投資の世界でもかなりの大事件ですが、「それだけの大事件を、3日前まで雑誌が把握していない」ということも、あり得るわけです。

ピーター・リンチに学ぶ「投資情報の集め方」

ピーター・リンチは、ウォーレン・バフェットにも匹敵する投資の巨人。彼は「投資の情報の集め方」について、下のように語っています。

  • 相場を読むには、人の意見を聴くより、いびきをかいていた方がいい。
  • プロの技術や知識を過信するな。
  • 最初につかんだ情報は、情報源が何であっても鵜呑みにしてはいけない。
  • 必ず自分で調査すること。調査しないで投資をすることは、「カードを見ないでポーカーをする」のと同じである。

ということです。今回の中国株バブルの件も、日頃から情報を集めている投資家だったら「だいぶ前からヤバいと言われている」ことは知っていたはずです。そのため、エコノミストの記事を読んで、中国株に飛びついた…ということは少ないでしょう。

飛びついたとしたら、日頃から調査をしていなかった人のはずです。「自分の頭で調べない・考えない」という人は、雑誌を読むのが「むしろ危険になる」こともあると考えてください。

もちろん、ネットでもテレビでも同じです。どんな情報に触れる時も「すべては自己責任」「自分のお金は自分で守る」という意識を、強く持つようにしましょう。

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