「右肩上がり投資法」とは、「常に上がっている株を買う」という投資法。「当たり前じゃん」と思われるかも知れませんが、その通りです。特に基本的な投資法の一つです。
3~4年上がり続ける、有名企業の銘柄も多数
「上がり続ける」なんて、都合のいい銘柄があるのか―。実は、これが結構あるのです。それも「誰もが知っている有名銘柄」で、多数あります。
- オリエンタルランド(ディズニー)
- ドンキホーテ
- セブン銀行
- キッコーマン
- カルビー
- ユニチャーム
…など。これらの銘柄は、2012年~2015年の3年間、連続で大幅に上昇しています。
- オリエンタルランド…約5倍
- ドンキホーテ…約4倍
- ユニチャーム…約4倍
…という勢いです。また、これらほど有名でなくても「日本ペイントHD」「日本空港ビル(羽田空港)」なども、やはり3年間はっきりと右肩上がりのチャートを描いています。
(一般で有名でないだけで、日本ペイントHDは「塗料業界で世界5位」という、超優良企業です)
右肩上がり投資法は「中長期スパン」が基本
右肩上がり投資法は、基本的に「中長期投資」です。つまり「最低2年程度は保有する」ということですね(特に決まりはありませんが)。
長期で持つ理由は簡単で、「上がるとわかっているんだから、手放す理由がない」ということです。先に上げた銘柄だったら、「3~4年待つだけで、4~5倍」になるわけですからね。
右肩上がりの株・銘柄を見つける方法
では、右肩上がりの株・銘柄をどうやって見つけるか。これは下の通りです。
- 経済全体を見て「これから数年、熱いテーマ」を探す
- そのテーマによって成長する企業を見つける
ということです。ある意味当たり前ですが、意外と多くの投資家がやりません(勉強が必要だからです)。
そのため、しっかり研究して「右肩上がり株を見極める」ことができたら、非常に儲かる手法なんですね。儲かるだけでなく「社会に必要とされている企業に投資する」ということで、社会貢献でもあります。
株・ビジネスの情報誌を参考に
最初は「株・ビジネスの情報誌」を参考にするといいでしょう。たとえば『日経マネー』『ダイヤモンドZai』などですね。
たとえば『日経マネー』の2015年10月号では「MRJ」の関連株に注目しています。MRJは「初の国産ジェット機」ですね。これが2015年の秋に初飛行するということで、関連銘柄に期待が集まったわけです。
MRJの「各部品を担当している企業」に注目
この時の『日経マネー』の場合「各部品・部位を担当する会社」を特集しています。たとえば、
- フェアリング…新明和工業
- 機内チェック用ミラー…コミー
- ラバトリー・ギャレー…ジャムコ
…という風です。「部位名も聞いたことがなければ、企業名も初めて聞いた」という方も多いのではないでしょうか。『日経マネー』のようなメジャー誌でも、ここまで細かく分析しているわけですね。
こうしたデータを参考に、これらの企業に投資してもいいでしょう。「絶対上昇トレンドになる」とは限りませんが、確率は高いです。またさらに「これらの企業に、材料や部品を納品する企業」に投資するのもありでしょう。
このように「ホットな話題をさらに掘り下げる」ことで、右肩上がりの株を見つけることができます。
右肩上がり銘柄の買い時・売り時
右肩上がり投資は「中長期投資」なので、デイトレードやスイングトレードのように、小まめに売買はしません。そのため、買い時・売り時についても、デイトレなどと比べるとアバウトです。
基本は「企業・業界の見極め」なのですが、それでも「買い時・売り時」を知っているとさらに利益を上げられます。ここではそれらのタイミングを説明します。
買い時…「押し目買い」が理想的
押し目買いとは、簡単にいうと「一時的に下落した時に、買う」という買い方。右肩上がり株でも当然「一時的に下落する」ことはあるので、その時に買う、ということですね。
(ある意味、当たり前です)
では、その「一時的な下落」をどう見つけるか。これは「移動平均線」を使います。
「移動平均線」とは?
移動平均線とは「大体この角度で、上昇している」というラインです。たとえば「ユニクロの、2013年~2015年の平均推移を知りたい」としましょう。
この場合、それぞれのポイントを取って、2つの点を「直線で結ぶ」わけです。その途中でどれだけ「ジグザグに上下動」していようと「平均推移は、この直線」と言えるわけですね。
この直線が「移動平均線」です。
移動平均線に「近づいた」か「下回る」時に買う
移動平均線は「平均」なので、「これより高くなる場面」がたくさんあるわけです。ということは「これに近づいた時点で、買えば得する」わけですね。
近づいたどころか「下回る」状態だったら理想的です。押し目買いというのは、このように「平均線に近づく or 下回る」時に買う手法です。
(手法というほどでもなく、ごく普通のことですけどね)
…というように、右肩上がり投資法でも「買う時に、押し目買いをする」ことで、さらに有利に運用できます。この部分に関しては、企業研究とは違い「テクニカル投資」と言えますね。
売り時…「急騰 or 長めの下落」の時
右肩上がり投資法の売り時は、主に下の2つです。
- 急激に株価が上がった時
- 下落がしばらく続いた時
という時です。
株価の急騰の後は、大抵急落が来る
まず「急激に上がった」というのは、一応いいことです。ただ、右肩上がり株は「社会的な理由があって上がっている株」なので「急激に上がる」というのは、本来おかしいのです。
ということは、「何か投機的な動きがあった」可能性が高いんですね。その場合、投機なので「急落する」ことも多いです。
だったら「今上がっているうちに、ひとまず売って利益確定をする」というやり方が賢いです。そして、急落した後にまた買い漁る…というのが理想ですね(今後数年、また上がるはずなので)。
下落が続き、その原因がわかる場合は売る
右肩上がり株でも、「短期的な下落」はよくあります。それも「割と大幅な下落」をすることがあります。そのため「落ちたらすぐ売る」というのは、右肩上がり投資法では、いい方法ではありません。しかし、
- 下落が、ある程度の期間続いている
- その原因がわかる(業界・経済の流れ的に)
…という条件の場合、すぐ売った方がいいでしょう。「ある程度の期間」というのは、特に尺度がありません。業種によって期間が全然違うからです(ITなどは短いです)。
「原因」も、もちろん完璧にわかる必要はありません。しかし、本当に上昇トレンドが終わったなら「必ず理由がある」はずです。
「右肩上がり株」というのは「社会から必要とされて」上昇していた株ですからね。「何の理由もなく、長期間落ちる」ということは、まずないのです。
そのため、「本当に上昇トレンドが終わったのか」という調査をしましょう。先のMRJでいうなら、たとえば「実際に乗った人たちの口コミはどうか」などですね。
「これが原因で落ちた」というのが、ある程度思い当たるようなら、その株は売却しましょう。「下がったから売る」というだけでは、大きなチャンスを逃す可能性があります。
「右肩上がり投資法」のまとめ
最後にポイントをまとめると、下の通りです。
- 右肩上がり投資法…「上がり続ける株」にかける手法
- 見つけ方…株雑誌などで、経済・業界の流れを読む
- 買い時…「押し目買い」をする
- 売り時…「急騰 or 長めの下落」の時
ということです。序盤にも書いた通り、「社会貢献にもなる投資法」ですし、「経済や各業界の流れに詳しくなれる」方法でもあるので、ぜひチャレンジしてみて下さい。