投資では「いくら稼ぎたいのか」という目標金額が必要。
これは投資だけでなく、「お金持ちになりたい」と思うなら、ビジネスでも何でも必須です。
というのは「楽して稼ぐ方法」はないからです。
目標金額が大きくなればなるほど、要求される「リスク」「努力」が大きくなります。
- 自分は、どこまでのリスクは許容できるか
- 自分は、どこまでの努力に耐えられるか
これらを見極める必要があるんですね。
低リスクな投資利回り「5%」で、計算してみる
まず、多くの人が一番怖がるのは「資産がゼロになること」でしょう。
そのため「一番低リスクな株式投資」の利回りで、計算してみましょう。
株式投資で一番低リスクな方法は「インデックス投資」というスタイル。
これだと、利回りは大体「5%~7%」です。
そして、あなたが「500万円」を、すべて注ぎ込んだとしましょう。
その後の資産の増え方をシミュレーションすると、下のようになります。
500万円を、年間利回り5%で、30年運用した場合
「500万円」を投資し「毎年5%ずつ増えていく」という場合のシミュレーションです。
年数 | 資産 | 増加分 | 年当り |
---|---|---|---|
0年 | 500万 | 0万 | 0万 |
1年 | 525万 | 25万 | 25万 |
5年 | 638万 | 138万 | 28万 |
10年 | 814万 | 289万 | 29万 |
20年 | 1326万 | 801万 | 40万 |
30年 | 2160万 | 1635万 | 54万 |
このシミュレーションの手法は「インデックス投資」。
これは「一度投資したら、ほぼ何もやることがない」投資。
つまり、「30年、500万をほったらかしておくと、それだけで1635万儲かる」ということです。
もちろん、絶対ではありません。
しかし、確率はかなり高いです。
また「1635万」まではいかなくても「1000万円」くらいになれば、稼げる確率はさらに上がります。
「500万円を30年寝かせて、1000万円」で満足できるか
上にも書いた通り、「500万円を30年寝かせる」という条件なら、「何もせずに1000万円」は稼げます。
そして「それで満足できるか」ということですね。
500万円投資できるとしたら、早くても「20代半ば」でしょう。
ということは、30年後には定年が近づいているわけです。
その時に手元にある資産が、元金も含めて「1500万円」で足りるか―。
定年(65才)から平均寿命までに必要な資金は「9700万円」と言われています(All Aboutより)。
実際には年金もあるので、その「1500万円+年金」で、何とか生活していくことはできるでしょう。
しかし「リッチなリタイア生活」とはいえません。
「もっと注ぎ込む」か「ハイリターンな投資をする」か
上にも書いた通り、多くの人が目指す「理想の老後」には、「500万円をローリスクな投資」では足りないわけです。ということは、
- もっと大きい金額を投資する
- もっとハイリスク・ハイリターンな投資をする
…のどちらかになるわけですね。
もちろん「両方」でもいいでしょう。
さらに「どっちも嫌だ」というのもありです。
その場合、上に書いた「つつましい老後」の方がマシだと思えば、そちらを選択すればいいだけの話。
先にも書いた通り「500万円を30年寝かせて、ほぼ何もせずに1000万円を得る」というのは、それほど難しくありません。
もしそれでいいなら、その人の投資手法は「インデックス投資」で決まるわけです。
(あるいは、それに近いやり方)
というように「投資手法が先にある」のではなく「目標金額が先にある」ですね。
多くの人が投資やビジネスで失敗するのは、この「ゴール」を明確にしないまま「とりあえずもっと多く」と考え、無節操な投資や事業をしてしまうからなのです。
最終的に投資は「どう生きたいか」ですべてが決まる
ここまで書いたことは、投資やビジネスに限らず、最終的に「その人の生き方自体」の問題になります。
趣味でも何でもそうですが、大抵は「人生を充実させるため」にあるのだから「充実とは何か?」という定義が、必要なわけですね。
「利益とは何か」
これはドラッカーが残した有名な問いの一つですが、こんな問いが有名になるくらい、企業にとっても「利益とは何だろう?」という問いは、難しいのです。
個人にとっても「成功とは何だろう」という問いは、本当に難しいんですね。
「自分の成功は、ハッキリしている」という人も「世間から、そう思わされているだけ」ということは多いです。
少々精神的な話になりましたが、投資で成功するにも、成功した後の人生を楽しむにも必要なことなので、ぜひこの根幹を常に考えてください。