デイトレードのデメリットを簡単にまとめると、
- 取引の負担が大きい(肉体・精神・コスト)
- デイトレード特有のリスクがある
- 逆にローリスク・ローリターンな部分がある
…となります。
2つ目と3つ目については「その人が、取引で何を重視するか」によるので、人によってはメリットにもなります。
誰にとってもデメリットなのは1つ目でしょう。
以下、3つのデメリットをそれぞれまとめます。
デメリット(1)『取引の負担が大きい』
デイトレードの最大の欠点は「取引の負担が大きい」ということ。
- 肉体的…取引時間の間、ずっと画面に張り付いていないといけない
- 精神的…トレード中、常に緊張を強いられる
- 手数料…頻繁に売買するので、その度に手数料がかかる
- 取引環境…高性能なパソコンや、マルチモニターがないと不利
これらの負担が、デイトレードの一番のデメリット。
それぞれ、詳しく解説します。
肉体的負担…取引時間、ずっと画面を見ている
多くの人が真っ先に想像するデメリットでしょう。
「私は株取引とか無理だわ~」という時、デイトレーダーのこの姿を想像して、「無理」と言っている人は多いと思います。
もちろん「これが好き」という人もいます。
しかし、動物的にやや無理がある状態ですから、大抵の人にとっては負担が大きいでしょう。
精神的負担…トレード中、常に緊張している
当然ですが、秒単位・分単位で取引している以上、「高度なゲームを長時間プレイしている」のと同じように、緊張を強いられます。
そして、ゲームと違い、失敗すれば数万円~数百万円を失います。
もちろん、これもやはり「だから面白い」という人もいるでしょう。
事実、デイトレードを「ただのオンラインカジノ」と割りきって売買している、余裕のあるトレーダーもいます。
しかし、多くの人は稼ぎたくてやるわけですし、ほとんどない余裕資金を、頑張ってつぎ込んでいるはずです。
自ずと、精神的な負担は大きくなるでしょう。
手数料の負担…マネックス証券だと、月約5万円かかる
株取引は、売買するたびに手数料がかかります。
めったに売買しない中長期投資の場合はいいのですが、短期投資家(デイトレーダー)だと、手数料の負担は相当なものです。
手数料は証券会社によって違いますが、一番人気の会社の一つ、マネックス証券で見てみましょう。
マネックス証券は1日定額手数料で「2500円」となっています。
(デイトレードを本格的にやるなら、お金を気にせずトレードに集中するために、1日定額の方がいいでしょう)
月5万円の手数料で、年間64万8000円に
この手数料で「月20日」取引したとすると、月間の手数料は「5万円」になります。
(株取引は土日・祝日は休みなので、月間大体20日になります)
この手数料は税抜きなので、消費税8%も含めて計算すると「5万4000円」。
年間だと「64万8000円」です。
「年収から65万円引かれる」と思うと、このデメリットの大きさがわかるでしょう。
取引環境…高性能なパソコン・マルチモニターがないと不利
デイトレードは、1分1秒が勝負の取引手法。
「パソコンの速度が遅くて取引が遅れた」とか、まして「フリーズした」などとなると致命的です。
そのため、まずパソコンはとことん高性能でなくてはなりません。
また、多数の画面(ディスプレイ)を同時に使う「マルチモニター」も必要です。
多くの取引画面を開きっぱなしにして、いつでも見られる&取引できるようにするためです。
本格的にデイトレードをする人は、多くが「6画面」でトレードしています。
こうしたパソコン&6画面のモニターのセットは、大体25万円前後で買えます。
本格的にデイトレードをやるなら、このくらいの初期投資が必要…と考えてください。
デメリット(2)『デイトレード特有のリスクがある』
株取引は、どんな手法でもリスクがあります。
その中で「デイトレード特有のリスク」は、下の通りです。
- 大口投資に騙されやすい
- 短期で大きな損失を出すことがある
以下、それぞれ詳しく解説します。
デイトレードは、大口投資家にだまされやすい
大口投資家というのは、1回のトレードで数十億~数百億を売買するような人物・組織。
このような大口の買い・売りが入れば、当然相場は「突然変化」します。
たとえば、急激に「上がった」としましょう。
それを見て「たぶん1分後も上がる!今買って1分後に売ろう!」と思ったら、「1分後には急降下」ということもあります。
理由はわかるでしょうが、大口投資が「買ってすぐ売った」んですね。
デイトレードさえしていなければ「気付きもしない」短時間の変化ですが、デイトレードをやっているばかりに、乗せられてしまうのです。
短期で大きな損失を出すことがある
デイトレードは中長期投資と違い「短期間で、資産を一気に増やせる」手法。
逆に言えば「一気に減る」こともあるわけです。
たとえば「50万円」でデイトレードを始めて「毎日10%増えた・減った」場合をシミュレーションしましょう。
それぞれ「わずか10日間」で、下のようになります。
- 10%増える…10日で「129万円」に
- 10%減る…10日で「17万円」に
文字通りの「ケタ違い」ですね。
中長期投資だったら、よほどの大事件でも起きない限り、10日でこれだけ株価が乱高下することはありません。
しかし、デイトレードだったらあり得るわけですね。
これはメリットでもあるし、デメリットでもあるわけです。
デメリット(3)『逆にローリスク・ローリターンな部分がある』
さっきは「ハイリスク・ハイリターン」と書いたのに、なぜ今度は「ローリスク・ローリターン」なのか。
これは「どの手法と比較するか」によるのです。
さっきは「中長期投資」と比較しました。
この場合、確かにデイトレードは「ハイリスク・ハイリターン」なのです。
しかし「スイングトレード」と比較した場合―。
逆に「ローリスク・ローリターン」になる(ことがある)んですね。
理由を説明します。
スイングトレードとは『2日~1週間』の取引
デイトレードは「1日」の取引ですが、スイングトレードは「2日~1週間」という期間。
つまり「少し長い」んですね。
なぜ、スイングトレードの方が「ハイリスク・ハイリターン」なのか。
理由は「取引時間外の変化が影響する」ことにあります。
取引時間外に、大震災が起きた場合…
たとえば、夜間のうちに「大震災」が起きたとしましょう。
そうすると、当然多くの会社の株価が急落します。
反面「急上昇」する株もあるわけです。
復興関連の株は、多くの投資家が買いに走るので、逆に上がるんですね。
デイトレードは、このような「時間外のイベント」が一切無関係。
ということで、スイングトレードと比較すると「ローリスク・ローリターン」になるのです。
デイトレードのデメリット&短所・まとめ
以上がデイトレードのデメリット・短所。
再度まとめると、下の一覧になります。
- トレードの負担(精神・肉体・手数料・取引環境)
- デイトレード特有のリスク(大口投資家の存在など)
- スイングより、ローリスク・ローリターン
…というのが、デイトレードの短所・欠点。
人によっては「逆に自分向き」ということもあるので、まずは「自分に向いているか」を、よく考えてください。
(明らかな結論がなければ、まず試してみるのもいいでしょう)