投資スタイル短期投資とは? ~デイトレ・スイング・中長期投資との比較~

東京証券取引所

東京証券取引所

短期投資とは「1日~数ヶ月」程度で、株を売買するスタイルのこと。
短期投資は、さらに下のようなスタイルに分かれます。

  • デイトレード…1日で全て売買
  • スイングトレード…2日~1週間程度で売買
  • 短期投資…1週間~数ヶ月程度で売買

デイトレードの「1日」というのは決まっています。
スイングトレードなどの「1週間」というのは「10日」と言われることもあり、この辺の定義は自由です。

短期投資のメリット・デメリット

短期投資のメリット・デメリットは「比較する手法」で異なります。

  • デイトレード・スイングトレードと比較する
  • 中長期投資と比較する

…ということですね。
それぞれと比較したメリット・デメリットを、まとめていきます。

デイトレード・スイングトレードと比較すると…

短期投資を、デイトレード・スイングトレードと比較した場合―。
メリット・デメリットは下のようになります。

(ここでの短期投資は「1ヶ月~数ヶ月」で売買するとします)

短期投資のメリット・長所一覧

  • さらに大きな利益が狙える場合がある
  • 勝算があれば、日々の値動きがそれほど気にならない
  • 研究によって、勝率を上げられる

…というのがメリットです。
次にデメリットを書くと、下の通りです。

短期投資のデメリット・短所一覧

  • 損失がさらに拡大する場合もある
  • 研究しなければ失敗する
  • お金をしばらく寝かせておくことが必要

以下、これらのメリット・デメリットを、詳しくまとめていきます。

デイトレなどより、さらにハイリスク・ハイリターンに

株価の変動は「1週間程度で終わる」こともあれば「1ヶ月続く」こともあります。
そして、当然「1ヶ月続く」方が「ものすごい変化」になります。

デイトレードやスイングトレードで「おお、上がった!」と思って売却―。
しかし、その後3週間にわたって上がり続けた―。

…というのはよく聞く話ですよね。
投資をしたことがなくても、何となく想像できるかと思います。

どちらがハイリスク・ハイリターンかは、状況による

もちろん、「常に短期投資の方がハイリスク・ハイリターン」とは限りません。
たとえば、株価の変動が「ただの瞬間的なもの」だった場合―。

これは短期投資のように「少し待つ」方が、ローリスク・ローリターンになります。
「本来の株価」に戻って、落ち着くからですね。

株価は、「乱高下しているほど、ピンチ・チャンスともに大きくなる」というのがセオリー。
そのため、急激な変動の場合は、短期投資の方が「ローリスク・ローリターン」になるわけです。

短期投資の方が、経済や業界の研究が必要

一つの株を買って、数ヶ月じっと待つ―。
これは当然「何らかの計算」があって、やることです。

たとえば、その数ヶ月で「A国が、紛争相手のB国を空爆する可能性がある」などですね。
これは、この紛争を長期間調べていたら「そろそろ来る」と、予測できる場合があります。

A国の大統領の支持率を見て「かなり下がってるから、国民の目をそらすために、戦争を始めそうだな」などと、予想するわけです。
このような予想は、「相当な勉強が必要」ですが、それができる人にとっては「大きなチャンス」なんですね。

逆に、勉強していない人にとっては「上がるか下がるかわからない株を、数ヶ月も持てない」となるわけです。
また、勉強といっても「チャート分析」などの「投資の勉強」だけでなく「各業界・世界経済」など、さらに幅広い勉強が必要になります。

逆に言うと「投資初心者だけど、何らかの専門分野を持っている」という人は、有利になります。

中長期投資と比較した場合のメリット・デメリット

次に、「中長期投資」と比較した場合―。
短期投資のメリット・デメリットは、下のようになります。

短期投資のメリット&利点

  • 資金を長期間寝かせなくていい
  • 大災害・恐慌などのリスクがない
  • 以上がメリット。

次にデメリットを一覧にします。

短期投資のデメリット&欠点

  • 本当に莫大な利益はつかめない
  • 売買がやや忙しい

…というのがデメリットです。
以下、これらのメリット・デメリットを総括した、解説をします。

資金をすぐ回収できるが、本当に大きな利益はつかめない

投資の初心者の人は「長期間寝かせておけるお金」を、あまり持っていないでしょう。
「一応預けておいても大丈夫」という人でも「利益が確定した時点で、できるだけ早く回収したい」と思うのは、ごく自然なことです。

そのまま持っていると、下がるかも知れないですからね。
事実、そうして「売り時を逃してしまった」という初心者の投資家は、山のようにいます。

売った後に上がり続け、その株が大化けする可能性もある

「上がった!」と思って、売った後も、株価がジワジワ上がり続ける。
5年後には、数倍になっている―。

ということも、これまたよくあります。
「まだ上がってる」と思って買い直してもいいですが、当然「最初より高値で買う」ことになります。

成長が見込める会社の場合、中長期投資の方がいい

上のような「長期的な成長」が見込める株の場合、当然ですが短期投資はしない方がいいんですね。
多少、株価が上下することがあっても、焦らずに持ち続けた方がいいのです。

どれだけ上がる株でも、「常に一直線で右肩上がり」ということはありません。
必ずジグザグ上下動しながら「全体では右肩上がり」となっています。

ということで、その企業を信用して株を買ったなら、焦らずに保有しておきましょう。

短期投資は、恐慌や災害の影響を受けにくい

短期投資のメリットは、リーマン・ショックのような大恐慌、東日本大震災のような災害の影響を受けにくい…ということにもあります。
もちろん、短期投資でもこれらの被害は「ある程度」受けます。

しかし、「すぐに売る」から関係ないんですね。
中長期投資の場合は、こういう事件があっても、基本的に「持ち続ける」のです。
その企業を信頼して、株を買ったわけですからね。

たとえば、リーマン・ショックが起きた時には、アップルの株も当然下がりました(世界同時株安ですから)。
しかし、アップル株を持つ投資家の大半は、保有し続けたはずです。
そして、2年後の「iPad」の発表の時に、大きな利益を手にしたでしょう。

…というように、短期投資は「恐慌・災害の影響を受けない」という利点があります。
反面「リーマン・ショック後のアップル」のように「さらに上がる株」を、逃してしまう難点もあるのです。

以上「短期投資」について、デイトレ・スイング・中長期投資との比較を元に、メリット・デメリットをまとめました。
短期投資にしても、その他の手法にしても「それだけにこだわる」必要はありません。
自分の投資ステージや、価値観の変化に応じて、うまく使い分けてください。

投資スタイルのコンテンツ

TOP