投資スタイルリバウンド投資法とは? ~反発株を見つけるための指標・手法・注意点のまとめ~

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投資をする女性のイメージ

リバウンド投資法とは?

リバウンド投資法とは、

  1. 「継続して下がっている」時、
  2. 「一時的に上がる」(反発する)ことがある
  3. その「反発直前」に買い、
  4. 「反発直後」に売る

…という手法です。「難しくないか?」と思うでしょう。そうです。難しいです。難易度についてまとめると、

  • 初心者には向いていない
  • 会社の業績などは一切関係ない「テクニカル投資」のジャンル
  • テクニカル投資に自信がある人なら、おすすめ

ということです。以下「反発の見つけ方」などをまとめます。

目次

1.リバウンド株を見つけるための4つの指標

1-1.ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、簡単に言うと「チャートに5本の線を引く」もの。上から順番に、

・上昇の「限界」 ――――
・上昇の「準・限界」 ――――
・これまでの株価の推移 ――――
・下落の「準・限界」 ――――
・下落の「限界」 ――――

…ということです。それぞれ、正しい名前を書くと、下のようになります。↓

・+2σ ――――
・+1σ ――――
・中心線 ――――
・-1σ ――――
・-2σ ――――

で、どのくらいの確率で「限界」なのかというと、

・+2σ…『95%』下落 ――――
・+1σ…『68%』下落 ――――
・中心線 ――――
・-1σ…『68%』上昇 ――――
・-2σ…『95%』上昇 ――――

…ということです。つまり、

  • 内側の線…68%
  • 外側の線…95%

ということですね。それぞれのラインまで来たら「リボ払いする確率が高い」と言えるわけです(特に外側)。

このように「2本の線で囲まれた地帯」を「ボリンジャーバンド」といいます。

(名前の由来は、ジョン・ボリンジャーという開発者の名前です)

1-2.RSI(相対力指数)

RSIは、「変動」する時「上がっている」のは、どのくらいの割合かということ。つまり、株を「お店」に買いにいくとしたら、

  • お客「ねえ。この株、よく動く?」
  • お店「ええ、よく動きますよ!」
  • お客「上がる方?それとも下がる方?」

…と聞くでしょう。これを示すのが「RSI」です。

  • RSIが高い…「上がる」変動が多い
  • RSIが低い…「下がる」変動が多い

…ということです。正式な説明をまとめると、

  • 何の略…Relative Strength Index
  • 日本語…相対力指数
  • 計算式…「上げ幅」÷「上げ幅+下げ幅」×100

…となります。計算式をもっと単純に書くと「上がった分」÷「全体」ということです。最後の「×100」は、ただパーセントにするだけの話です。

(ちなみに、正確に書くとどちらの幅も「一定期間の」をつける必要があります。期間を限定しないと「上下の幅」は決まりませんからね)。

 RSIがどんな数値になったら、リバウンドするか

リバウンド投資法では、RSIが「30%以下」になったら、売りに入ります。ここまで下がると「反発して上昇する」ことが多いからです。

もちろん「30%」というのはただの目安です。投資家によっては「20%~25%」ということもあります。あるいはもっと大きかったり小さかったりすることもあります。

この辺は何度か小さい失敗・成功を重ねながら、勘を養っていただく」というのがいいでしょう。

(これはRSIに限らず、すべてのテクニックや指標に言えることですが)

1-3.ストキャスティクス

ストキャスティクスは、超簡単です。

  • 過去の『最高値』…100%
  • 過去の『最安値』…0%

として、「現在の株価は、何%の位置か」という指標です。日常生活の中でも、

  • 俺、今絶好調かも
  • 過去最高を「100」としたら、80くらい

などと言ったり考えたりするでしょう。ストキャスティクスは、まさにそれです。非常に簡単ですね。


 ストキャスティクスの数値の見方

ストキャスティクスの数値は、

  • 80%…買われ過ぎ(売った方がいい)
  • 20%…売られ過ぎ(買った方がいい)

…ということです。あくまで「初歩の初歩」ですが。

で、リバウンド投資法では、

  • 20%になった…買う
  • 反転して上昇した…売る

…というやり方を取ります、基本。もちろんここまで書いた、ボリンジャーバンド・RSIの条件も満たしているのが理想です。

1-4.移動平均乖離率

移動平均乖離率とは「最近の平均から、どのくらいずれているか」という割合。

  • 上にずれている…買われ過ぎ(下落に転じやすい)
  • 下にずれている…売られ過ぎ(上昇に転じやすい)

「最近の平均」を示す線を、「移動平均線」といいます。一番メジャーなのは「25日平均線」です。

リバウンド投資法では、「-5%」あたりまで下がったら買い、上昇に転じたらすぐ売ります。

1-5.まとめ…『4つの指標』の合わせ方

以上、リバウンド投資法で使える「4つの指標」を紹介しました。これらの条件を「全部満たす」銘柄だと、リバウンド投資は成功しやすいです。

条件を再度まとめると、下の条件になったら「買い」です。

  1. ボリンジャーバンド…『-1α』(内側)か『-2α』(外側)
  2. RSI(相対力指数)…『30%』以下
  3. ストキャスティクス…『20%』以下
  4. 移動平均乖離率…『-5%』

これら4つの条件を満たしたら買い、上昇に転じたらすぐ売るということです。

1-6.補足…長期的には下がるので、欲張らない

リバウンド投資法は最初に書いた通り「長期的には下がっている株」です。それが「一瞬だけ上がる」場面を狙うわけですから「チャンスは一瞬」なのです。ということで、

  • 普通の投資の時のように「大きな利益」は狙わない
  • 一定の利益が確保できるなら、すぐ売る

というポイントを意識してください。リバウンドのチャンスは、基本的に1回だけです。その後下がっていったら、「どこかで反発して上昇」したとしても、「買った時よりは安い値段」ですからね。

(長期的に下がる株を買う、というのはそういうことなのです)

2.リバウンド投資法が「向いている」人

2-1.「経験者」

リバウンド投資法は、

  1. 長期的に下がっている株を買う
  2. つまり「価値がない企業」に投資する
  3. ということは「チャート分」だけが命
  4. それは、経験者でなければできない

というものです。もちろん「最初は誰でも初心者」なので、「初心者はリバウンド投資をしてはいけない」ということではありません。

ただ、初心者がやるなら、小さい失敗を最初に何度かするつもりでいた方がいいでしょう。

2-2.「短期」で稼ぎたい人

リバウンド投資法は「短期で結果が出る」手法。そのため「すぐ稼いで、利益確定して現金化したい」という人には向いています。

数日単位のトレードのことを、スイングトレードと呼びます(デイトレードは1日で終わる)。そのため、リバウンド投資法は、「逆張りスイングトレード」と呼ばれることもあります。

(逆張りというのは「全体的に下がっている株を買う」からですね。みんなの逆をやる、ということです)

2-3.「テクニカル投資」で行きたい人

テクニカル投資というのは「チャートだけ見る投資」です。

  • ファンダメンタル…経営指標・経済情勢などで「人間的に」判断する
  • テクニカル…チャートだけで「機械的に」判断する

…ということですね。

  • 経営指標とか見たくない
  • 「ビジネスの本質」とかどうでもいい
  • 人間と向き合うより、チャートの画面と向き合っている方が好き

というタイプの人は、テクニカル投資が向いています。そうしてテクニカル投資に向かう場合、その手法の一つとして「リバウンド投資」を入れておくのはいいでしょう。

2-4.「チャートに張り付く時間がある」人

これは「テクニカル投資」とほぼ同じです。テクニカル投資をやるには「一日中チャートに張り付く」必要があります。それだけの「時間」も必要ですし「精神力」も必要です。

日本のテクニカル投資家で一番有名な人は、おそらくB.N.Fさん(ジェイコム男)でしょう。彼はこの道で一番適正があった一人ですが、それでも「毎日相場のことが頭から離れなくて、体がピリピリする」と、2006年の「ガイアの夜明け」のインタビューでも答えています。また、

  • 相場が気になるので、海外旅行にも行けない
  • リーマンショックで大損した時には、激昂してモニター2台を破壊した

などの、エピソードがあります(Wikipediaより)。当たり前ですが、「テクニカル投資も、決して楽ではない」ということです。

3.リバウンド投資法が「向いていない」人

「向いていない人」は、ここまで書いた内容の逆です。飛ばしていただいてもOKですが「さらに理解を深めたい」という方には、役立つかと思います。

3-1.「初心者」

リバウンド投資法は、「チャートの読み方を熟知している」人でも、しばしば間違うものです。まして「チャートの読み方を最近マスターしたばかり」という素人では、かなり危険です。

もちろん「初心者だけど、いきなりリバウンド投資で成功した」という人もいるでしょう。しかし、それは「かなりの確率で、まぐれ」です。

  • 上位1%というのは「100人中1位」である
  • つまり「ジャンケンの勝ち抜き」で1位になればいい
  • 100人中1位になるには「7連勝」するだけ

…ということです。「ジャンケンの7連勝」くらい、やったことがある人もいるでしょう。なかったとしても「俺、7連勝したことあるぜ~」と自慢する人を見ても、別になんとも思わないはずです。

「上位1%」というのは、「日本人の年収なら、1500万円以上」です。「初心者が、1回目のリバウンド投資で成功する」というのは、これより圧倒的に簡単でしょう。「いくらぶち込んで、いくら稼いだか」にもよりますが、大抵小口の成功なので。つまり、

  • 初心者が「いきなりリバウンド投資」で成功することは、
  • 確率的には「十二分にある」
  • だから「大抵まぐれ」である
  • まぐれで成功した人の話は、聞いてはいけない

…ということです。これは別に「リバウンド投資を否定する」わけではなく「正しい狙いを持って成功した、経験者の話だけ聞くべき」ということです。繰り返しますが、上位1%という「圧倒的な勝ち組に入るだけでも「ラッキーが7回続けばいい」のです。

3-2.「長期」の結果を待てる人

リバウンド投資法のような「短期で儲かる方法」を捨てるなら、長期で結果が出るのを、じっくり待つ必要があります。

  • それだけ経済的な余裕があり、
  • 説明してな余裕もある

という人は、あえて危険なリバウンド投資はせず、普通の長期投資をするのがいいでしょう。

ただ「インデックス投資」のようなほぼノーリスクな方法は、当然それだけリターンも小さいです。ここでいう「長期投資」というのは、あくまで「アクティブ投資」のことです。

*一応、両者の説明も簡単にしておきます。

  • インデックス投資…日経平均「全部」にかける手法。日経平均とともに、数十年単位で上がっていく
  • アクティブ投資…普通の投資。個別の株を買って、売買する

3-3.「ファンダメンタル投資」をしたい人

先の「テクニカル投資」との比較でも少し触れましたが、ファンダメンタル投資とは「企業の経営指標」「世界の経済情勢」などを見て、投資する手法。つまり、「より本質的」ということです。

  • 「会社を見る目」に自信がある
  • 「政治・経済」を理解している

という自信がある人は、ファンダメンタル投資の方がいいでしょう。ウォーレン・バフェットの口癖である「その企業や業界について、論文を1本書けるくらい研究する」なら、ファンダメンタル投資はかなりのローリスク・ハイリターンになります。

で、この手法は「リバウンド投資とは完全に逆」なので、こういうスタイルを希望する人は、リバウンド投資には向いていません。

3-4.「投資に割く時間が少ない」人

これも先に書いた内容の逆です。基本的に「ほとんどのサラリーマン・自営業者」は本業で忙しいはずなので、これに該当するでしょう。

儲けようと思って株を始めたものの、チャートが四六時中気になって、仕事が手につかなくなったという話はよく聞きます。これで首になったり、自分の事業の売上が落ちたりしたら、本末転倒でしょう。

ということで、投資にあまり時間や労力を割けない…という人は、リバウンド投資はやらない方がいいです。あくまで「専業投資家」のための手法・技と考えてください。


以上、リバウンド投資法についてまとめました。この先は、リバウンド投資法で特に重要な指標「ボリンジャーバンド」の考案者についてのコラムを書きます。

4.「ボリンジャー考案者は、破産している」は嘘?

リバウンド投資法では「ボリンジャーバンド」が特に重要。で、このボリンジャーバンドを開発した「ジョン・ボリンジャー氏」ですが、「実は破産している」という噂があります。結論は「おそらく間違い」なのですが、その調査の結果をここで書かせていただきます。

4-1.日本語サイトにしか書かれていない

「ボリンジャー 破産」と検索すると、確かに日本語の記事が多くヒットします。しかしそれらは、

  • アフィリエイトをしている投資・FXのブロガーさん
  • ツイッターのつぶやき

などで、信ぴょう性のある情報源はありません。そもそも、ジョン・ボリンジャーはアメリカ人なので、情報は英語の方が断然多く、正確なはずです。で、英語で「John Bollinger」+「bankruptcy(破産)」で検索してみると…、これが「全然ヒットしない」んですね。

4-2.ボリンジャーのWikipediaには書かれていない

まず、ジョン・ボリンジャーのWikipedia(英語版)には、破産については全く書かれていません。それを匂わせるようなネガティブな情報もありません。

確かに、経歴の最後の年が「2008年」なので最近は、少なくとも表立っては活躍していないことはわかります。しかし、破産していたら必ず誰かが書くでしょう。

(何しろ、ボリンジャーバンドと言ったら、投資の世界で最も有名な指標の一つですからね)

Wikipediaにもいわゆる「編集合戦」の様子は見られないし、これを見る限りボリンジャーバンドの考案者は、破産していない確率が高いです。

4-3.英語のGoogleの検索でも、全然ヒットしない

Wikipedia以外で「ジョン・ボリンジャー 破産」(英語)で検索しても、やはりそれらしい記事はヒットしません。一瞬「これか?」と思ったのは、「ジョン・R・ボリンジャー」という、「破産法」を専門に扱う弁護士でした。(下のURL)

http://www.bolemanlaw.com/your-bankruptcy-lawyers/attorney-john-bollinger

これは、検索結果だけを見ると、一瞬「ボリンジャーは破産しているのか?」とも思います(ページを開けば全然違うことがわかるのですが)。

もしかすると「ボリンジャーの破産」というのは、ここから流れたデマではないか?と思われます(他の原因もあるでしょうが、候補の一つとして)。

ちなみに、二人は同姓同名ですが「ミドルネーム」が違います。

  • 考案者…ジョン・A・ボリンジャー
  • 弁護士…ジョン・R・ボリンジャー

…という風です。顔も全然違います(弁護士さんの方は熊さんっぽい感じです。笑)。

4-4.結論…ジョン・ボリンジャーは破産していない

これらの根拠から「ジョン・ボリンジャーは破産していない」と考えられます。少なくとも「破産している」と書いている記事よりは、多くの根拠を示したつもりです。

(破産しているという記事は「ボリンジャーは破産しています」という一行を書いて終わりなので)

4-5.補足…ネットの情報を信用してはいけない

ネットの情報というのは、本当にあてにならないものです。たとえばマイナビ「学生の窓口」というサイトでは、下のような記事が書かれています。

あなたはどれが好き?日本の偉人が残した名言たち「絶対は絶対にない」(織田信長)

https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/5226

「絶対は絶対にない」というのは、

  • 相対主義のパラドックス
  • 寛容のパラドックス

と呼ばれる「哲学のテーマ」です。これは紀元前から古代ギリシャのソフィスト(弁論家・教育家)たちがずっと論じてきたもの。哲学に興味がなくても「絶対は絶対にない…って、矛盾してないか?」と日常で誰もが思い浮かべる疑問の一つです。

そもそも、これを「信長の名言」と紹介しているサイトで、支払いさん出典を明記しているものは一つもないのです(あっても、どこかの適当なブログだったり)。それは「織田信長 絶対は絶対にない 出典」と検索してみればわかります(ものの見事にゼロなので)。

マイナビの、しかも学生用のサイトでこんなデマが堂々と書かれているのだから、なんとも言えない違和感を覚えます。こういう記事を真に受けている学生だったら、確かに就職活動で苦労するのも当然でしょう。

…と、少し脇道に逸れましたが、マイナビレベルの会社・サイトでも、こういう間違った情報が書かれているのです。ボリンジャーの破産の噂も、おそらく間違いでしょう。

常に、流れている情報を疑ってかかるというのは、投資家だったら絶対重要なことです。もちろん、信じるべき時もありますが、それはウォーレン・バフェットの言うように「そのジャンル・企業について、一本の論文を書けるくらい、調べ尽くした場合」に限ると考えてください。

(人間は、何も知らないものなのです。この記事の筆者を含め)

5.参考文献・サイト一覧

リバウンド投資法について、下の書籍やサイトを参考にさせていただきました。深くお礼を申し上げます。

5-1.参考書籍・一覧

  • 日本経済新聞社(2015)『日経記者に聞く 投資で勝つ100のキホン』(下の各部参照)
  • Q.40『テクニカル分析』…ボリンジャーバンドについて
  • Q.41『移動平均線』…移動平均乖離率
  • 桑原晃弥(2012)『1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則』ソフトバンククリエイティブ
  • 山崎元・水瀬ケンイチ(2015)『全面改訂 ほったらかし投資術』朝日新聞出版

5-2.参考サイト・ページ一覧

 個別サイト

  • All About『株式相場が低迷しても儲けられるリバウンド投資法とは』
  • リバウンド投資専門サイト『リバウンダー』
  • 株ってなぁに?『リバウンド投資法』
  • マイナビ 学生の窓口『あなたはどれが好き?日本の偉人が残した名言たち「絶対は絶対にない」(織田信長)』
  • 日経スペシャル『ガイアの夜明け』2006年2月28日放送(第201回)

 Wikipedia

  • 『John Bollinger』
  • 『相対主義』
  • 『パラドックス』
  • 『B.N.F』

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