『ROEとは?』の記事で書いた通り、ROEは『PBR÷PER』で出せます(PBR・PERの説明は、当サイトの各ページを読んでください)。
全然関係なさそうな、この2つの指標で、なぜROEを出せるのか。まず「計算式的に、そうなる」というのを解説します。次の記事で「本質的な説明」をします。
【次の記事】ROEが『PBR÷PER』で出せる理由(2)『本質的な解説』
では、解説に入ります。
ROEの式を確認
ROEの式は、こうでしたね。↓
ROE=利益÷資産
ということは、
ROE=PBR÷PER
を証明するには、
『PBR÷PER』=『利益÷資産』
を証明すればいいわけです。
『PBR、PER』の計算式から
まず、それぞれの計算式を一覧にします。
- PBR…株価÷1株あたり資産
- PER…株価÷1株あたり利益
この「1株あたり~」は長いので、こう言い換えます。
- PBR…株価÷BPS
- PER…株価÷EPS
分数として、表してみる
分数にすると、
PBR= | 株価 |
BPS |
PER= | 株価 |
EPS |
…となります。で、証明したいのは、
ROE=『PBR』÷『PER』
なので、さっきの分数をそれぞれ代入します。
分数を代入すると…
代入すると、このようになります。↓
ROE= | 株価 | ÷ | 株価 |
BPS | EPS |
で、「分数の割り算」なので、こうやって掛け算に直して、計算するんでしたね。↓
ROE= | 株価 | × | EPS |
BPS | 株価 |
で、「株価」が打ち消し合います。
ROE= | × | EPS | |
BPS |
で、こうなります。↓
ROE= | EPS |
BPS |
『EPS、BPS』を日本語に戻す
- EPS…1株あたり利益
- BPS…1株あたり資産
なので、
ROE= | 1株あたり利益 |
1株あたり資産 |
となります。
『1株あたり~』も分解してみる
分解して、分数にすると、こうなります。↓
1株あたり利益= | 全部の利益 |
全部の株数 |
1株あたり資産= | 全部の資産 |
全部の株数 |
「全部の」は邪魔なので、消しましょう。↓
1株あたり利益= | 利益 |
株数 |
1株あたり資産= | 資産 |
株数 |
で、また「分数の割り算」をします。
ROE=『1株あたり利益』÷『1株あたり資産』
なので、
ROE= | 利益 | ÷ | 株数 |
資産 | 株数 |
となります。で、分数の割り算なので、また掛け算に直します。↓
ROE= | 利益 | × | 株数 |
株数 | 資産 |
で、打ち消し合います。↓
ROE= | 利益 | × | |
資産 |
で、こうなります。
ROE= | 利益 |
資産 |
割り算に直すと、こうなります。↓
ROE=利益÷資産
今回の計算は『ROE=PBR÷PER』から始まりました。その式が変化して今、『ROE=利益÷資産』になったわけです。
『PBR÷PER』=『EPS÷BPS』=『利益÷資産』
…という流れで来たわけですね。ということで、
『PBR÷PER』=『利益÷資産』
と言えるのです。こういう仕組みで、
『ROE=PBR÷PER』
…となるわけですね。
以上、『ROE=PBR÷PER』で出せる理由を説明しました。これは「計算式では、こうなる」という説明です。次は「本質的に、こうなる」という理由を説明します。
ROEが『PBR÷PER』で出せる理由(2)『本質的な解説』