投資の判断基準高配当株投資法とは ~銘柄選びのポイント・売り買いのタイミング~

配当金

配当金

高配当株投資法は、2通りあります。

  1. 高配当の株をそのまま持ち続ける
  2. 配当が出た直後に買い、出る直前に売る

前者は「ただの長期投資」ですね。たとえば「配当利回り5%」の株なら、単純計算で「20年保有」すれば、配当金だけで全額回収できます。

後者は、もっとテクニカルな方法。こちらが高配当株投資法のメインと言えます。そのやり方を詳しく解説します。

配当金が出た直後で買い、出る直前で売る

株の配当金は「年1回~4回」という回数で、出ます。そして、それぞれ「その時点で株を持っている人」がもらえます。

ということは「その直前」は、その銘柄の人気が出るんですね。そして「直後」は人気が落ちるわけです。「配当金をもらったら、用はない」ということですね。

ならば逆をついて「みんなが売りたがる時に買う」「買いたがる時に売る」ことで、利益を出そう―。というのが「高配当株投資法」です。

高配当株投資法の、銘柄の選び方

銘柄を選ぶときのポイントは、2つです。

  1. 配当利回りが高いこと(前期の数字)
  2. 安定して増配していること

まず一つ目の「現時点の配当利回りが高い」というのは、当然でしょう。その数字を見て、みんな買いたがるわけですから。

ただ、その利回りは「今年も同じ」とは限りません。「減配になる」可能性もあるのです。そして、それは「配当をもらえる権利確定日」の時点ではわかりません。「その後で発表」されるのです。

ということで、「ただ高い」だけではなく「おそらく、今年も高い」銘柄に人気が集中します。そのため「長年、増配が続いている」「最低でも、維持している」という株を、選ぶべきなのです。

買い時…「権利落ち直後」か「1~2ヶ月前」

高配当株投資法の買い時は、2通りあります。

  1. 権利落ち直後…一番下落する時
  2. 権利確定日の1~2ヶ月前…ラストスパートで上がる時

「権利落ち日」直後で買う

権利落ち日というのは「もう、あなたが配当金をもらえる権利は確定したので、売ってもOKです」という日。

逆に言えば、「権利落ち日」に買った人は、「次の権利確定日」まで、持ち続けないと配当金がもらえないんですね。本来損なのですが、その期間を平気で待てる人だったら「安く買えるチャンス」です。

「権利確定日」の1~2ヶ月前に買う

この時期には、かなり株価が上がり始めています(特に1ヶ月前)。しかし、それでも「直前までで、さらに上がる」ので、十分使える方法なんですね。

「直前で買って、利益出るの?」と思うかも知れません。これは「投資金額が大きい時」は、十分出るのです。具体的な数字で、シミュレーションしてみましょう。

1000万円投資して、配当利回りが4%の場合

1000万円の4%は「40万円」。つまり、「1週間、1000万円を預けるだけ」で「40万円儲かる」ということです。これがもし「5000万円」だったら「200万円」です。

嘘のようですが、このくらい「ボロい儲け」が、お金持ちの世界ではあるんですね。そして「4%」の配当利回りは割と多くあります。

時期にもよりますが、2015年8月末時点の各社の配当利回り(予想)を見ると、「上位31社」が、4%以上になっています(名証・ジャスダックなど全て含む)。

このように「大きい金額を投資できる投資家」にとっては「直前でも、十分買う価値がある」のです。「減配にならないかどうか、直前まで業界の動向を見て決める」ということもあるんですね。

というわけで「直前でも、十分売れる」ということ。絶対ではないですが、確率は高いです。そのため、利幅が多少小さくなっても「1~2ヶ月前で買う」という方法は、一応アリです。

大きな利益を狙うなら、権利落ち日の直後で買う

当然ですが、大きな利益を狙うなら「権利落ち日」の直後で買いましょう。1~2ヶ月前では、利幅もたかが知れています。

「保有し続けないといけない」とはいっても、「年2回」の配当の企業の場合、たったの半年です。そのくらいだったら「寝かせても問題ない」という人が多いでしょう。

最近では「年4回」の企業も増えています。これだったら「3ヶ月」なので、最初の練習がてら、やってみるのもいいかも知れません。

企業業績・業界の流れを必ずチェックする

高配当株投資法は簡単に見えますが、注意点もあります。それは「業績・業界の流れをチェックする」ということ。

当然ですが、業績が悪くなれば配当金も減ります。減配の可能性が高い株は、みんな買いたがりません。

つまり、あなたがその株を買った後、「何か悪いニュース」が流れた場合―。その株は「思ったほど値上がりしなかった」ということもあり得るんですね。

最悪、値下がりもあり得ます。そして、権利確定日の前に多少上がっても「元に戻っただけ」ということもあります。手数料分マイナスですね。

こうならないように「保有している期間、問題が起きなそうな企業か」は、しっかりチェックしておきましょう。また、業績が発表される前から、ビジネス誌などである程度予想はできるので、そうした業績予想もしておきましょう。

「高配当株投資法」のポイント・まとめ

以上、高配当株投資法のポイントをまとめると、下のようになります。

  • (1)権利落ち日直後に買い、権利確定日直前で売る
  • (2)権利確定日の「1~2ヶ月前」に買い、確定日直前で売る
  • 高配当&長年増配を続けている企業を選ぶ
  • 保有している期間、下落しなそうな銘柄を選ぶ
  • その年の業績予想を見て、減配がないかどうか事前に予想する

…というのがポイントです。投資金額が多ければ、これとは逆に「直前で買って、配当金だけもらう」というスタイルでも、かなり稼げるかも知れません。株式投資の世界は、やはりお金があればあるほど有利ですね。

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