投資の判断基準割安株投資法とは ~グレアム型・フレンチ型・指標の見方~

計算資料

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割安株投資法は「本来の価値より、割安で放置されている株を買う」手法。その価値が本当に高ければ、そのうち値上がりするので、その時に売る…というやり方ですね。

別名で「バリュー投資」とも言われますが、ここでは「割安株投資」で統一します。

割安株投資のやり方 ~銘柄をどうやって見つけるか~

割安株投資のやり方=「銘柄の見つけ方」です。これは下の2通りです。

  • グレアム型…「その企業の本質」まで見極める
  • フレンチ型…「一定の数値条件をクリアした」企業を買う

簡単にいうと、上の通りです。「グレアム」「フレンチ」というのは、それぞれ「提唱した投資家の名前」です。

グレアム型とフレンチ型の違い

グレアム型とフレンチ型の違いを、さらに簡単に書くと下の通りです。

  • グレアム型…難しい。ローリスク・ハイリターン
  • フレンチ型…簡単。ハイリスク・ハイリターン

もしできるなら、グレアム型が理想です。ただ、これは「徹底した研究」が必要なんですね。グレアム型で成功した投資家の典型がウォーレン・バフェットですが、彼はこう言っています。

「その企業について、論文を一本書けるくらい研究しなければ、株を買ってはいけない」

有名な言葉なので、知っている方も多いでしょう。このくらい研究すれば「過小評価されている会社」が、確実にわかるわけです。だから「ローリスク・ハイリターン」なんですね。

(グレアム&バフェットは、こういう状態・領域のことを「安全域」と呼んでいます)

素人投資家が簡単に実践できるのは、フレンチ型

このように「安全域」で割安株を見つけるのは、理想です。しかし、現実には「そこまで研究できない」という人が多いでしょう。

そういう人が割安株投資をする場合「フレンチ型」を選びます。「特定の指標によって、機械的に銘柄を抽出する」というやり方ですね。

グレアム型より多少リスクがありますが「初心者がすぐ実践できる」のはこちらです。というわけで、ここでは「フレンチ型」で使う株式指標を、簡単に解説します。

(より詳しい解説は、別記事で)

割安株投資(フレンチ型)で使う株式指標

フレンチ型の割安株投資で使う株式指標は、主に下の3通りです。

  1. PER(株価収益率)
  2. PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
  3. PBR(株価純資産倍率)

それぞれの意味は、簡単には下の通りです。

  1. PER…その株を今買うと「何年で回収できる」か
  2. PCFR…上と同じ(より正確に判断するための指標)
  3. PBR…その会社が今倒産すると、「1株当たりいくらもらえるか」

そして、それぞれ「どういう数値だと良い」かは、下の通り。

  1. PER…小さいほど良い
  2. PCFR…小さいほど良い
  3. PBR…1以下が良い

これらが「一応の基準」ですが、実際にはもう少し複雑です。

数値自体より「そうなった理由」の方が大事

数値だけで「機械的に判断」できるなら、割安株投資は誰でも成功します。実際には「その数値になった理由」の方が大事なのです。

たとえば「将来性のない、来年にも倒産するかも知れない企業」でも、上の指標が「たまたま良くなる」ことはあるんですね。「数字には現れない実態」というものがあるのです。

機械的に投資候補を出した後、実態を見て絞り込む

ということで、これら3つの指標もその他の指標も「最初だけ」使うようにしましょう。最初の「候補選出」の段階で使う…ということですね。

そこから先の絞り込みは、ある程度「実態を見て」やりましょう。この点では、最初に書いた「フレンチ型」と「グレアム型」は「どちらかだけ」ということは、ないわけです。

この記事でおすすめしているのは「フレンチ型」ですが、最終的には、ある程度「グレアム型」も必要なんですね。「完全に数字だけ」では判断できないのです。してもいいですが「危険」なのです。

ということで、フレンチ型の割安株投資をする時も、ある程度の「企業研究・業界研究」は必須と考えてください(より確実に稼ぎたいなら)。

割安株投資(バリュー投資)のまとめ

以下、割安株投資(バリュー投資)のまとめです。

  • 割安株投資とは…「過小評価されている株」を買う手法
  • グレアム型…「企業そのもの」を調べて買う
  • フレンチ型…「株式指標」で、機械的に買う
  • 使う指標…PER、PCFR、PBRなど
  • ポイント…指標は「最初の候補選出」のみに使うべき

割安株投資は「利益が大きい」だけでなく「社会貢献」ともなる手法です。「売り手良し・買い手良し・世間良し」の「三方良し」の手法なので、ぜひ研究して極めてください。

*三方良し…江戸時代の近江商人の思想

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