ファンダメンタル投資とは「会社の経営状況を見て投資する」手法のことです。つまり「チャートに頼る」投資ではないんですね。
- ファンダメンタル投資…『経営状況』を見る
- テクニカル投資…『チャート』を見る
というのが違いです。
どうやって「経営状況」を見るのか?
これは「数字」によって見ます。「あの商品はヒットするはず」というような「人間的な判断」ではなく、あくまで「数字」を中心に見ます。
この数字を「ファンダメンタルズ指標」と呼びますが、下のようなものがあります。
主なファンダメンタルズ指標・一覧
- PER(株株価収益率)
- PBR(株価純資産倍率)
- ROE(自己資本利益率)
- ROA(総資産利益率)
- PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
他にも多くありますが、特によく使われるのはこれらです。
このような指標を見て「数字で、その会社を判断する」というのがファンダメンタルです。こういう点では、「あまり人間的でない、テクニカル投資に近い部分」もあります。
根本的な中長期投資との違い
ファンダメンタル投資は、「根本的な中長期投資」とは、少々違います。あくまで上のような「指標」を中心に、企業を判断するからです。
根本的な中長期投資の場合、もっと「人間的」に評価します。たとえばウォーレン・バフェットは「何十年も続く会社」だけに投資しています。これは当然「指標」だけではわかりません。
- その会社の商品・ビジネス
- 経営陣の人間性
- 時代の流れ
…という「全て」を読んで、投資をするのです。もちろんバフェットのスタイルは「指標」も用います。ただ「指標だけ」ではない、ということです。
ファンダメンタル投資でも「指標だけ」を見て買うこともあれば「指標と企業の両方」を見て買うこともあります。確かなのは、
- ファンダメンタル投資…本質的
- テクニカル投資…技術的
というわけではない、ということです。ファンダメンタル投資も「指標だけ見る」なら、「技術的な投資」です。
ファンダメンタル投資にも、複数の手法がある
ここまで書いた通り「ファンダメンタル投資=指標を見る投資」です。ということは、「指標を見た後、どんな株を買うか」によって、さらに投資手法が分かれるわけです。
「ファンダメンタル投資」の中にも、いくつかの投資手法があるわけですね。主なものでは、下のような手法・スタイルがあります。
ファンダメンタル投資の中の手法一覧
- トップダウン・アプローチ
- ボトムアップ・アプローチ
- グロース投資(成長株投資)
- バリュー投資(割安株投資)
それぞれ簡単にまとめると下の通りです。
- トップダウン…世界経済など「全体」から判断
- ボトムアップ…個別企業など「部分」から判断
- グロース投資…急成長する銘柄を買う
- バリュー投資…過小評価されている銘柄を買う
「トップダウン」と「ボトムアップ」の違いはわかるでしょう。「グロース投資」と「バリュー投資」の違いが、わかりにくいかも知れません。この違いを簡単に説明します。
グロース投資とバリュー投資の違い
両者の違いは、簡単には下の通りです。
- グロース投資…高値の株でも、今後さらに上がるなら、買う
- バリュー投資…今、安く買い叩かれている株を、買う
バリュー投資は、「ただ安い」だけではダメです。「本当は実力があるのに、安くなっている」株を買います。それを見抜くために、ファンダメンタルの指標を使います。
グロース投資とバリュー投資は、一部重なる
両者は完全に別な手法ではなく、一部重なります。つまり「割安株でもあり、成長株でもある」という銘柄があるわけです。今後急成長する株なのに、誰もそれに気づかず、安値がついている…、というパターンですね。
という風に、この2つの手法は完全に別なものではありません。また、「トップダウン」や「ボトムアップ」も、「どれか1つだけ選ぶ」のではなく、「全部取り入れて、総合的に考える」のが、一般的なやり方です。
というわけで、ファンダメンタル投資の手法も、最後は「全部が必要」になります。ただ「自分のスタイルが、投資の世界でどういう立ち位置になるか」を知るために、こういう分類を覚えておきましょう。
まとめ ~ファンダメンタル投資とは?~
ここまでの内容をまとめると、下の通りです。
- ファンダメンタル投資…経営状況を見て投資する
- 見る指標…PER、PBR、ROEなど
- 指標だけ見て投資するなら、テクニカル投資に近い
- 実際には、企業の本質なども見つつ投資する
- グロース投資・バリュー投資などの手法がある
…という内容です。現時点でチャートを見るテクニカル投資をしている人も、長期にわたって安定して稼ごうと思うと、ファンダメンタル投資が必要になるでしょう。
長期間、株式投資で成功し続けたい方は、ファンダメンタル分析の勉強が必須といえます。