株式市場の基礎用語ファンダメンタル投資とは?→会社の経営指標を見て、銘柄を決める

シンガポール市場

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ファンダメンタル投資とは「会社の経営状況を見て投資する」手法のことです。つまり「チャートに頼る」投資ではないんですね。

  • ファンダメンタル投資…『経営状況』を見る
  • テクニカル投資…『チャート』を見る

というのが違いです。

どうやって「経営状況」を見るのか?

これは「数字」によって見ます。「あの商品はヒットするはず」というような「人間的な判断」ではなく、あくまで「数字」を中心に見ます。

この数字を「ファンダメンタルズ指標」と呼びますが、下のようなものがあります。

主なファンダメンタルズ指標・一覧

  • PER(株株価収益率)
  • PBR(株価純資産倍率)
  • ROE(自己資本利益率)
  • ROA(総資産利益率)
  • PCFR(株価キャッシュフロー倍率)

他にも多くありますが、特によく使われるのはこれらです。

このような指標を見て「数字で、その会社を判断する」というのがファンダメンタルです。こういう点では、「あまり人間的でない、テクニカル投資に近い部分」もあります。

根本的な中長期投資との違い

ファンダメンタル投資は、「根本的な中長期投資」とは、少々違います。あくまで上のような「指標」を中心に、企業を判断するからです。

根本的な中長期投資の場合、もっと「人間的」に評価します。たとえばウォーレン・バフェットは「何十年も続く会社」だけに投資しています。これは当然「指標」だけではわかりません。

  • その会社の商品・ビジネス
  • 経営陣の人間性
  • 時代の流れ

…という「全て」を読んで、投資をするのです。もちろんバフェットのスタイルは「指標」も用います。ただ「指標だけ」ではない、ということです。

ファンダメンタル投資でも「指標だけ」を見て買うこともあれば「指標と企業の両方」を見て買うこともあります。確かなのは、

  • ファンダメンタル投資…本質的
  • テクニカル投資…技術的

というわけではない、ということです。ファンダメンタル投資も「指標だけ見る」なら、「技術的な投資」です。

ファンダメンタル投資にも、複数の手法がある

ここまで書いた通り「ファンダメンタル投資=指標を見る投資」です。ということは、「指標を見た後、どんな株を買うか」によって、さらに投資手法が分かれるわけです。

「ファンダメンタル投資」の中にも、いくつかの投資手法があるわけですね。主なものでは、下のような手法・スタイルがあります。

ファンダメンタル投資の中の手法一覧

  • トップダウン・アプローチ
  • ボトムアップ・アプローチ
  • グロース投資(成長株投資)
  • バリュー投資(割安株投資)

それぞれ簡単にまとめると下の通りです。

  • トップダウン…世界経済など「全体」から判断
  • ボトムアップ…個別企業など「部分」から判断
  • グロース投資…急成長する銘柄を買う
  • バリュー投資…過小評価されている銘柄を買う

「トップダウン」と「ボトムアップ」の違いはわかるでしょう。「グロース投資」と「バリュー投資」の違いが、わかりにくいかも知れません。この違いを簡単に説明します。

グロース投資とバリュー投資の違い

両者の違いは、簡単には下の通りです。

  • グロース投資…高値の株でも、今後さらに上がるなら、買う
  • バリュー投資…今、安く買い叩かれている株を、買う

バリュー投資は、「ただ安い」だけではダメです。「本当は実力があるのに、安くなっている」株を買います。それを見抜くために、ファンダメンタルの指標を使います。

グロース投資とバリュー投資は、一部重なる

両者は完全に別な手法ではなく、一部重なります。つまり「割安株でもあり、成長株でもある」という銘柄があるわけです。今後急成長する株なのに、誰もそれに気づかず、安値がついている…、というパターンですね。

という風に、この2つの手法は完全に別なものではありません。また、「トップダウン」や「ボトムアップ」も、「どれか1つだけ選ぶ」のではなく、「全部取り入れて、総合的に考える」のが、一般的なやり方です。

というわけで、ファンダメンタル投資の手法も、最後は「全部が必要」になります。ただ「自分のスタイルが、投資の世界でどういう立ち位置になるか」を知るために、こういう分類を覚えておきましょう。

まとめ ~ファンダメンタル投資とは?~

ここまでの内容をまとめると、下の通りです。

  • ファンダメンタル投資…経営状況を見て投資する
  • 見る指標…PER、PBR、ROEなど
  • 指標だけ見て投資するなら、テクニカル投資に近い
  • 実際には、企業の本質なども見つつ投資する
  • グロース投資・バリュー投資などの手法がある

…という内容です。現時点でチャートを見るテクニカル投資をしている人も、長期にわたって安定して稼ごうと思うと、ファンダメンタル投資が必要になるでしょう。

長期間、株式投資で成功し続けたい方は、ファンダメンタル分析の勉強が必須といえます。

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