TOPIX(トピックス)とは何か―。まずは、ポイントをまとめます。
- TOPIXとは…「東証株価指数」の略
- 東証株価指数とは…東証一部の株価の平均(簡単に言うと)
- 上がると?…株式投資が活発になる
- 下がると?…株式投資の勢いが落ちる
…ということです。以下、詳しくまとめます。
東証株価「指数」とは
上ではわかりやすく「東証一部の平均」と書きました。しかし、実際のTOPIXは「指数」です。「平均株価」ではありません。
では、指数とは何か。簡単にいうと下の通りです。
- 1968年の、東証の時価総額を出す
- それを「100」とする
- 今の平均株価を出す
- 68年と比較し、何倍になったかを計算する
- もし2倍なら「200」となる
…という風です。
なぜ「1968年」なのか?
これは「1969年から、TOPIXがスタートした」ため。その前年のデータを使ったわけですね。正確には「68年1月4日」です(この年の仕事始めです)。
で、この68年1月4日の東証時価総額は「23兆6321億円」でした。これと「今の東証時価総額」を比べて、TOPIXを出すわけです。では、実際に計算してみましょう。
TOPIXの計算式は?
『今の東証時価総額』÷『68年の東証時価総額』×100
…これがTOPIXの計算式です。試しに、『2015年8月末』の場合で、計算してみましょう。まず、時価総額は下の通りです。
- 2015年8月31日…363兆2375億円
- 1968年1月4日…23兆6321億円
で、これを計算式に当てはめると、下のようになります。
『363兆2375億』÷『23兆6321億円』×100
で、答えは『1537.05』です。これが『2015年8月末のTOPIX』です。少数を省略すると「1537」ですね。
TOPIXは、1968年の15倍になっている
上の数字でわかるのは、2015年のTOPIXは、1968年の約15倍になっている、ということです。
- 1968年…100
- 2015年…1537
…となるからですね。TOPIXは「1968年を、100とする」というルールです。そして、「1537」は、「100の15倍」です。なので「2015年のTOPIXは、1968年の15倍」となるのです。
何で68年を「100」にするのか
これは「未来は、TOPIXが下がるかも知れなかった」からです。たまたま上がり続けたけど、下がっていたらどうなったか。
- 1968年…100
- 2015年…30
というTOPIXになっていたかも知れないのです。68年が「100」だったら、こうして減ったとしても、「少数まで行かない」で済みます。しかし、もし「68年が1」だったら、
- 1968年…1
- 2015年…0.3
となるわけですね。これでも悪くはありませんが、やはり整数の方が見栄えがいいでしょう。
…という理由もありますし、「当時の関係者が、そう決めただけ」とも言えます。とりあえず、この「68年を100とする」というのは、それほど気にしなくてOKです(多分、1でもよかったでしょう)。
TOPIXと日経平均の違い
TOPIXと日経平均は、下の点が違います。
- TOPIXは「東証全体」。日経平均は「トップ225社」だけ
- TOPIXは「指数」。日経平均は「株価」
ということです。「指数」というのは、ここまで説明した通り、
- 基準となる年(68年)があって、
- 「その何倍か」を出した数字
ということです。
「株価」はそのままなので、ざっくばらんに言うと「日経平均の方が、簡単でわかりやすい」と言えます。
ただ「意味がわかりやすい」というだけです。「その数値を使って、稼いでみろよ」と言われたら、どちらも難しいのは変わりありません。
TOPIXを、投資にどう使うか?
TOPIXを投資に使う方法は、大別して2通りです。
- 「TOPIX連動型」の投資信託を買う
- 大量にあるデータの1つとして使う
となります。2つの違いは、
- 前者…消極的。ローリスク・ローリターン
- 後者…積極的。ハイリスク・ハイリターン
ということです。パッシブ投資(消極投資)と、アクティブ投資(積極投資)の違いですね。
前者は「TOPIXが上がれば利益が出る。下がれば損する」というシステムなので、「TOPIXが直接関わる」ものです。
後者は普通の投資です。皆さんのイメージ通りのものです。これは「TOPIXも重要だけど、他にも山程のデータを見る」という投資です。
どちらの投資でもOKですが、前者(投資信託)のような消極投資は「すでに大量の資産がある人向け」です。利回りが低いのだから「元手が多くなければ意味がない」わけですね。
多くの人は元手が少ないはずです。もしそれでも儲けようと思ったら、「積極投資」をすることになります。つまり「TOPIX以外にも、あらゆるデータを見て、買う銘柄を探す」ということです。
少々大変かも知れませんが、大変なほど「それをやったら、ライバルが減る」ということなので、頑張りましょう。