テクニカル投資とは「チャートを見て投資する」手法です。対になる「ファンダメンタル投資」との違いは、下の通りです。
テクニカル投資 | 『チャート』を見る |
ファンダメンタル投資 | 『経営指標』を見る |
さらに違いをまとめると、
テクニカル投資 | 短期 | 技術的 |
ファンダメンタル投資 | 長期 | 本質的 |
…となります。以下、テクニカル投資の内容を詳しくまとめます。
テクニカル投資の手法・一覧
テクニカル投資の手法・法則は多数ありますが、特に有名なものを一覧にします。
- グランビルの法則
- ボックスの動き
- ボリンジャーバンド
- ストキャスティクス
以下、それぞれの意味・内容を説明します。
1.「グランビルの法則」とは
ジョセフ・グランビルという投資家の、チャート分析法です。
- 4つの買いパターン
- 4つの売りパターン
で、合計「8つのパターン」を覚えます。たとえば有名なものに「ゴールデンクロス」がありますが、これはグランビルの法則の「買いパターン」の1つdす。
2.「ボックスの動き」とは
長年多くの投資家が活用してきたチャートパターン。株価の動きが「ボックス状態」になったら、チャンスです。
ボックス状態というのは「一定の範囲内で、上下を繰り返す」状態。たとえば、
- 株価「1万円」まで上がったら、下がる
- 株価「5000円」まで下がったら、上がる
という動きを繰り返すようになったら、この「5000円~1万円」が「ボックス」といえます。「ボックスの動きに入った!」と気づいたら、
- 1万円になったら売り(下がるので)
- 5000円になったら買い(上がるので)
というパターンに従って売買すればいいのです。
もちろん、ボックスは「誰が見てもわかる」ものだったら利益も小さくなります。長年の経験から「人が見つけられないようなボックス」を見つける投資家が、大きく稼ぎます。
3.「ボリンジャーバンド」とは
ボリンジャーバンドは、簡単にいうと下のようなものです。
- 株価の折れ線グラフがある
- この折れ線の上に2本、線を引く
- 下にも2本、線を引く
- 一番上・一番下の線まで株価が動く可能性は5%
- 二番目に上・下の線まで動く可能性は、32%
…というものです。手法というより「統計」ですね。
「株価の折れ線グラフ」と書きましたが、正確には「移動平均線」というもの。株価は一日の中でも上下していますが、「それぞれの日の平均」を取って、それをつなげたグラフです。
どうやって線を引くのか?
これは、証券会社のチャート画面で「ボリンジャーバンドを表示」とすると、自動的に出ます。それを見て「○○日に、32%の確率でここまで上がる」などと予想するわけです。
線の引き方については、ベテランの投資家でも知らないことが多いです。ただ、それは「カメラの仕組みを知らなくても、撮影はできる」というのと同じ。
このボリンジャーバンドの確率は、統計によって確認されているものなので、ほぼ確実にこの通りになると思ってください。
(もっとも、32%の確率で上下どちらに行くかわからないので、決して「無敵の必殺技」ではありません)
4.「ストキャスティクス」とは?
ストキャスティクスも、ボリンジャーバンドと同じく「証券会社の画面」で、自動的に出せます。チャート上で、2本の横線が走ります。そして、株価の折れ線グラフが、
- 上の線を超えた…買われすぎ(バブル)
- 下の線より下がった…売られすぎ(パニック)
ということです。これも「何で、この横線を引けるのか」という仕組みは、知らなくてOKです。現実的に「この線を超えたら買われすぎ」ということは、これまでの統計からわかっているので、それに従えばいいのです。
もちろん、バブル期の不動産もそうでしたが「爆発的に儲かる」ものは、しばしば「買われすぎ」のラインを超えて、さらに上昇を続けます。
ということで、「買われすぎ」になったら売らないといけない、というわけではありません。ただ「買われすぎ・売られすぎ」ということは、ストキャスティクスでわかるわけです。
…以上、テクニカル分析の4つの手法・指標を説明しました。あくまでこれらは「テクニカル投資の手法」のほんの一部です。
他にも多くの指標や手法・統計があり、これらを駆使するのがテクニカル投資の醍醐味です。
まとめ ~テクニカル投資とは?~
以下、この記事の内容をまとめます。
- テクニカル投資とは「チャートを見て投資する」スタイル
- ファンダメンタル投資と対になるスタイル
- ファンダメンタル投資に対して「短期的・技術的」である
そして、紹介した手法・指標は、
- グランビルの法則…8つの売買のパターン
- ボックスの動き…一定の範囲内で上下するパターン
- ボリンジャーバンド…移動平均線の上下に5%、32%の線を引く
- ストキャスティクス…売られすぎ、買われすぎのサイン
…というものです。ファンダメンタル投資をする場合も、これらテクニカル投資の手法は、ある程度知っておいた方がいいでしょう。