投資の心構え株価上昇時の心構え ~歴代投資家の名言・格言に学ぶ~

上昇トレンド

上昇トレンド

持っている株が上昇している時―。
「すぐ売って利益を確定させる」か「もっと上がるのを待つ」か、誰もが迷うでしょう。

状況にもよりますが、今売ってある程度満足できるレベルなら、「すぐ売る」方がいいでしょう。
少なくとも「天井まで上がるのを待つ」のは、絶対に避けるべきです。

歴代の投資家の名言では「売り時」に関するものも多くあります。
ここでは彼らの名言を元に「まだ上がるかも知れない場面で、すぐ売ることの大切さ」を説きます。

ジョセフ・ケネディ(ケネディ大統領の父親&投資家)の名言

ケネディ大統領の父親は、投資家でした。
「ケネディ財閥」の生みの親です。
彼は株の売り時について、こう語っています。

「最高の利益を狙って粘り続けるのは、愚か者のすることである」

多くの人が考えている「最高の場面で売る」ということが、いかに危険&不可能か、この言葉でわかるでしょう。
「いや、俺はできた」という個人投資家の人は、運が良かっただけです。

少なくとも、その人とジョセフ・ケネディのどちらを信用すべきかと言ったら、断然ケネディの方でしょう。
他の大投資家たちも、同じことを言っています。

ネイサン・ロスチャイルド(ロスチャイルド財閥の開祖)の名言

「ロスチャイルド財閥」の名前は、誰でも知っているでしょう。
この開祖のネイサン・ロスチャイルドも投資家でしたが、彼は「株で利益を出す方法」について聞かれた時、こう答えています。

「それはもちろんある。断じて底では買わず、早めに売ることだ」

これはつまり「完璧を目指すな」ということ。
「早めに売る」はもちろんですが「底では買わず」も同じです。

「底値で買う」のも「天井で売る」のも不可能

多くの人は、株でもFXでも「底値で買う」のが大事だと思っています。
「限界まで安くなってから買い、限界まで上がったら売る」ということですね。

しかし、ロスチャイルドは「それは無理」と言っているわけです。
「底値で買い、天井で売る」は確かに理想ですが、これは野球でいうなら「年間50本塁打打って、50盗塁できたら理想だよね」と言っているようなもの。

理想は理想ですが、これを目指したら「どちらも中途半端」で終わるのがオチ。
少なくともロスチャイルドのような「世界史レベルの投資家」は、そう言っているわけです。

ロスチャイルドで無理なことが、どうして私たちにできるでしょうか。
アクティブ投資(ハイリターンを目指す投資)をしていて「売ったら利益が出る」という場面では、欲を出さずにすぐに売るようにしましょう。

バーナード・バルーク(大戦中の大統領の側近&投資家)の名言

世界大戦前後のアメリカを代表する投資家に「バーナード・バルーク」がいます。
大戦中から大統領の側近としても活躍し、戦後に「冷戦」という言葉を、最初に使った人物でもあります。

彼の売り時に関する名言(というより言葉)で、下のようなものがあります。

「まだ上昇中の銘柄を、これまで何度も売ってきた。売ったことで巨額の利益を逃したことも何度かあったが、売らずにいたら暴落時に立ち直れなくなっていただろう」

歴史的な投資家でも、何度も利益を逃している

上の名言のポイントは、「利益を逃した」と、彼がハッキリ言っていることです。
それも何度も。

投資家が「売るかどうか迷う」というのは「利益を逃すのが怖い」ということでしょう。
しかし、バーナード・バルークのような大投資家でも「何度も逃している」のです。

バルークですらそうなのだから、素人の個人投資家が利益を逃すことなど、当たり前なのです。
現時点で売ったら利益が出る―、というだけでも御の字と考えましょう。

ウィリアム・オニール(成長株投資の大家)の名言

ウィリアム・オニールは成長株投資(グロース投資)の第一人者。
成長株投資とは「大幅に伸びる株を買う」投資法です。

「大幅に伸びる株」というのは、当然「大幅に下がる時」も来ます。
たとえば、フェイスブック株は上場後3ヶ月で、一気に半値まで落ちました。

こういう成長株投資をしている人なので、オニールはある意味「売りのプロ」と言えます。
もちろん「買いでもプロ」ですが、ウォーレン・バフェットのように「永遠に保有し続けるのが理想」という投資家より、売り時に関しては直接参考になるでしょう。

さて、そのオニールは売り時に関して下のような名言を残しています。

「株式投資の目的は、利益を生んでそれを確定することである。上昇したからと興奮したり、欲を出したり、楽観視したり、我を忘れたりすることではない」

売りも買いも、自分の感情を交えずに淡々と行う

上のオニールの名言は、特に「感情」について語っています。
売り時を考える場面で「興奮・欲・希望」などの感情は、すべて鎮めろと言っているわけですね。

確かに「欲を出して」成功する場面もあるでしょう。
そして、それでたまたま成功した人が「利益確定したくなる場面で、あえて持ち続ける勇気が大切です」などと、メディアで語っているかも知れません。

しかし、そういう「にわか成功者」より、オニールを始め、ここで紹介した大投資家たちの言葉の方が、はるかに正しいはずです。

オニールの言うように「利益を出し、それを確定させた」ら、それで株取引は成功なのです。
バルークのように、それで「多額の利益を逃した」としても、別にいいのです。

  • 自分はこれらの大投資家に勝てるような人物か?
  • 売り時がわかるほど、株の勉強をしたのか?

と、自問自答しましょう。
そして「現時点で売って出る利益でも、そこそこ満足できる」と思ったら、売ってしまいましょう。

それでバルークのように悔しい思いをするのも、またいい経験なのです。

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